南ア登山:Day 2

Canon EOS Kiss X5+Tamron SP AF90

  • ストロボ:絞り優先モードF11〜F13、露光1/200固定、ストロボ+2、ケンコー影とり、ISO-AUTO
  • 自然光:マニュアルモードでF8〜F16、露光1/125〜1/1000、ISO-AUTO

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作戦

朝食時に小屋で聞かされた予報は曇、所により雨。イケダイとゼブラは捨てる。ちなみに登山口からずっと電波来ないのでそれか唯一の情報

高山帯へ

小屋の朝食を5:00に食べ、朝5:30登山開始。山頂を目指す人は4時前から登山するが、暗いと虫探せないのでのんびり。
小屋から標高を上げ高山帯を目指す。特保に入るのでデイバックとカメラのみでピストン。

セリの花

花は多くないが、咲いている花にはピドニアが早朝から来ている。

オヤマヒメハナカミキリ

標高が上がり、オヤマメスの紛らわしさもパワーアップしてきた。前胸が赤く足もそれほど黒くない。

カリフラワーっぽい花。小屋から100-200mほど登ったあたりか。

ワルサワダケヒメハナカミキリ★

きたー!これだ!長野県のカミキリムシにて書かれているとおり、2400m付近が境界の目安のようだ。
オスは輪がつながり、前胸が赤くなる「ことが多い」。またメスは輪が「つながらない」ことが多い。一方でニセフタオビも輪がつながることがあり、前胸が赤くなることもある。こうしたことから、記載時にワルサワはニセフタオビの亜種とされ、さらに後には地域変移にまで格下げされた。しかし斉藤秀生、宮下徳子両氏の再検討により、雄交尾器の顕著な違い、および輪の連結の有無にかかわらず白い部分の角度が異なることからPidonia warusawadakensis は1992に独立種となった(甲虫ニュース100)。

ミヤマヒラタハムシ


赤バージョン

ハイマツの花

2700mに到達。ハイマツが出始める。叩けば花粉の落ちる理想的な状態だけど、霧雨、強風ではオトメはどうしようもない。探すだけ探すがヌル。
天気が悪くても上高地ハクサンフウロにしがみついていたトホシハナがいないかと探すも、ホストとされるハクサンフウロがほとんどない。黄色い花は多いんだけど。
さらに登るとハイマツだけになってくる。オトメはこういう所にはいない筈なので下山。

クロハナカミキリ


ヒメハナカミキリたくさん

登りで気がつかなかった花。おびただしいピドニア。しかしほとんどがオヤマ。
登りでチェックした花には、登りの時と同じ虫しかいない。だめだな。


ウドのつぼみ

一週間後は花がよさそう。しかしその週末は小屋が随分前から埋まっていた。

オヤマヒメハナカミキリ


下山、ピド決戦

小屋に戻り荷物をまとめ、登りとは違う樹林帯を下山。途中、分散して生える合計20株ほどのショウマを巡回して掬える場所を発見。標高はまだ2000mを下ってないはずだ。ここでピド決戦に挑む。目標、シンシュウ&シナノ!
やはり多いのはオヤマ。ニセフタオビも多く、まれにワルサワ。あとはハクサンシラネ、ブービエカクムネ系、ヨコモン、チャイロ、ニンフ、カラカネなど。

ヒメハナカミキリsp

ヒメハナカミキリsp

狙いのシンシュウかと思ったけど、ホソガタのようだ。


チビハナカミキリ

複数いた。ミズナラがホストとされているけど、2000mでは何か他の木に寄生してるのだろう。

ワルサワダケヒメハナカミキリ

このとき捕獲した個体、オス

同、輪がつながらないメスとオス。ペアで確保。ニセフタオビに比べて白い部分が湾曲している。
訂正:触覚が長いのでニセフタオビ。


決戦終了

次第に雨が強くなり、飛来が少なくなった。下山。下の方の花にも虫は少ない。昨日たくさんいたチャボハナも見当たらない。
当初は最終の16時台のバスで帰る予定だったけど、状況は好転しそうにないので14時のバスで帰る。
目標の10種は夢、幻レベルも含んでいたので、2種達成はまあ半分ほどというところか。クモマベニヒカゲのおかげでそれでも満足度の高い遠征でした。また図らずも二種とも「種」の概念について考えさせられるカミキリであったのも面白かったです。