四国紀州ピドニア一気

Canon EOS Kiss X5+TAMRON SP 90mm VC USD

  • ストロボ:絞り優先モードF11〜F13、露光1/200固定、ストロボ+2、ケンコー影とり、ISO-AUTO
  • 自然光:マニュアルモードでF8〜F16、露光1/125〜1/1000、ISO-AUTO

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四国と紀州の、ちょっといいピド見てみたい!それ一気一気一気一気!

Day 0

大阪での仕事を夕方に終えその足で淡路へ。以前セダカで秋に敗退した山で夏の夜回りリベンジ。イワワキ、ツルギ、ソボで成功したこの方法ならば!と意気込むもやはりブナ林と違い大きな木がない上に倒木も少ない。極太でキノコ生えまくったブナ倒木なんていう物件あれば、そらあセダカいますわな。しかしそんな木を標高300m程度の山で見つけることは不可能。低山セダカこれで6連敗0勝。
夜のうちに徳島の山の中へ移動。四国の山道は狭く対向車が来たら100mくらいバックしないといけないので夜がいい。目的地入口で車中泊

Day 1

予報によれば徳島の南半分が雨。現在地はギリギリか。まあピドニアだから雨でもなんとかなるだろうと。ピド屋には知られた林道を進みます。事前情報によればここにはシコク、マホロバ、ヤマト、アワ、イヨ、チュウジョウ、トサがいる。イシヅチ以外の四国の全部という感じだ。

林道


時おり強く降ったり弱まったり。ピドが飛ぶにはちと厳しい。朝に居残り掬ったらそれで終わりだ。天気が良ければ沢沿いの道なんかを歩いてシコクヒメコブハナ、サワグルミやシナでチチブニセリンゴ亜種、ブナでミヤマケシなんかも探したかったんだが。
林道はガレててパンクが恐い。途中で30cm大の崩落した石が散乱した場所に遭遇。直撃に注意しながら手でどける。石器のような破片も多い。しばらく進むと今度は50cmと70cmの落石。70cmの方はびくともしない。50cmのをどけてギリギリ通れるようになった。そしてしばらく行くとまた落石。前回人が来てどけてから、2日から5日というところだろう。その期間にこれだけの落石があるというのは、かなりの確率だ。変な所に駐車してたら直撃食らうかもしれんし、帰路を塞がれるかもしれん。
とりあえず3つ目の落石までの間でなんでもかんでも花を掬いまくる。サワフタギや、あまり目立たないアオダモっぽい花とかが優秀だった。

ヤマトヒメハナカミキリ★

あーホソガタね、はいはい、とろくな撮影しないうちにお亡くなりになった。ホソガタは甲信エリアにしかいないんだよ!ヤマトはいわゆる置換種というやつか。

チュウジョウヒメハナカミキリ★

これもたくさん入ったイヨのオスと間違えて撮影しなかったもの。雨に塗れてS紋とかがあるように見えたのでしょう。メスもおそらく掬ってるけどニセフタオビと間違えてリリースしてるな。オヤマの置換種らしい。

イヨヒメハナカミキリ★

ヨコモンは甲信と紀州にしかいないので、ニセヨコモンを除外すればイヨということになる。前胸の形状からニセヨコモン除外したつもり。白い部分がヨコモンより白い?Lm紋が大きく丸い?点刻がより粗い?うーーーん、どうなんだろう。そうかも。


別個体

イヨヒメハナカミキリ


イヨヒメハナカミキリ

オス。すべての個体が腹節は黒だったのでニセヨコモンではないはず。

ヒメハナカミキリsp

徳島の高標高にはアワがいて、ブナ帯上部ではフタオビと混棲しているということ。両者の違いはネット上にある情報だけではなんとも判断しがたい。現在原記載論文の Elytra New Seriesを注文し取り寄せているところ。
甲虫学会の出版物は何年か経つとネットで無料公開されるが、アワ&サキモリの記載は2015年なんでまだ有料。
7/23追記: アワの場合、オスは触角が余裕で上翅端を超える。メスはすこし届かないくらい。この個体は明らかにフタオビ。なおネット上にある、触角が太短いという情報は同時に記載されたサキモリの特徴であり誤り。

パンク

三時間ほど待っても晴れないので移動。下りで油断してスピード出してしまい、パンク。舗装まであと1-2キロだった。違和感を感じつつしばらく走ったので途中でホイールキャップが外れどこかへ行ってしまった。とりあえず保険でロードサービス呼んで無料で臨時タイヤに交換してもらえるようだったが圏外。強い雨の中、マニュアルを読んで初めてタイヤ交換をした。さすがに1-2kmとはいえスペアでまた後戻りしてホイールキャップを探す気にはなれない。と思ったらオフロードバイクの兄ちゃん集団に遭遇。キャップ見つけたら2000円、見付からなくても1000円でどうですか?と持ちかけたら乗ってもらえた。そしてめでたく発見。2000円でお礼した。
徳島市までトロトロ40km運転しオートバックスで本タイヤに交換、8000円。幸いこれは保険で建て替え払いになるとのことだった。時間は3時。明日は紀州を攻めたいのでとりあえず淡路島で気になっている場所を攻めることにした。

照葉樹林

ストリートビューで見て、南方系の虫がいる神奈川のとある場所にそっくりだと思ったが、実際そうで自然度の高い照葉樹林だ。

絶景


枯れ蔓

こういう枯れ蔓があちこちにある。叩くとだいたい何かしらカミキリが落ちて楽しい。シロスジドウボソが第一希望だったが、どうもジャケツイバラというのが生えてなかったようだ。本州部では葛や藤でも取れてるんだけど。

シラオビゴマフケシカミキリ

アトモンマルケシカミキリ

ガリシロオビサビカミキリ

コブスジサビカミキリ

ヤハズカミキリ


ヒメアヤモンチビカミキリ★

いえーい、さすが南方雰囲気。四国九州では普通種だけど東にはいないんで自己初。


ヒメヒゲナガカミキリ

カラスザンショウ材で夜に発見。白い帯が太く連結している。四国亜種の特徴だ。図鑑によれば、中間的な形質も表れるため異論はあるだろうが便宜上四国などを亜種とする、と書かれている。こういうのは難しい。四国亜種っぽい形質が四国以外でも表れることがあるが、四国では安定して表れるということだ。半亜種とでも呼ぼうか。クロナガタマムシなんかも、対馬のを亜種とする学者もいる。たしかに関東では前胸が赤いのと青いのが両方いるが、対馬では赤いのしか見なかった。

ノグルミ

新鮮なノグルミの伐採材を発見。ネットで調べると、淡路産のタカサゴシロがオークションに出ていた。ノグルミの葉をよく調べたが発見できず。夜に材を見にきたがやはり発見できず。まあ奄美とかで探すかね。

移動

夜のうちに大移動。紀州のビジホに宿泊。

Day 2

目的地候補は二か所。二種のピドニアにその名を冠する山系、および西の方にあるブナ林。雨雲レーダーでは東の方から雨が来ている感じだったので西を選択。ルートインで朝食を食べてから出撃。ドピーカンで、ちと出遅れたかな、と思うも目的地に近づくと霧そして雨。念のため雨雲レーダーを確認。県境なので場所を見間違えることはない。雨雲は写っていない。ステルスかよ。知人チームが二週間前にこの地でオオクボ、トゲムネホソヒゲなどいい虫を採集しているので期待していたが、早々に諦めピド一本となった。
あまり多くない道の脇の花で探す。

ヒメハナカミキリsp

イヨよりはLm紋が小さいかも。ヨコモン?ピクセルで測るとLm紋の長さはエリトラの長さの25%だった。イヨだと28%くらい。

トサヒメハナカミキリ★

四国で見つけられなかったのをここで挽回。関東圏でのセスジ系の同定が楽になった。

フタオビヒメハナカミキリ

暫定アワとの比較用。うーん、同じだ。

イヨヒメハナカミキリ

Lm紋が大きい。

終了

天気は好転せず。ブナ倒木などチェックするもセダカ発見できず。まあここはイワワキなんであまり熱意が入らないが。15:00ぐらいに撤退し三時間運転し新大阪に車返して終了。大阪は土砂降りだった。