Canon EOS Kiss X5+Tamron SP AF90
- ストロボ:絞り優先モードF11〜F13、露光1/200固定、ストロボ+2、ケンコー影とり、ISO-AUTO
- 自然光:マニュアルモードでF8〜F16、露光1/125〜1/1000、ISO-AUTO
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作戦
3000峰、の途中の小屋まで登ります。登山口が1500m。小屋が2200m。標高差700mぽっきりで高山帯へ行ける。基本的にカミキリ屋は森林限界以上に用はないので小屋周辺を探索すれば十分。朝4時のバスで二時間かけて登山口へ。
一日目、下は晴れ、上は曇り、夕方から雨。
今回の目標は、ルート上で記録がある、または同様の環境で記録が有る以下の未見カミキリ10種。
- 登山口7/15 ホクチチビハナ
- 登山口7/29 キベリカタビロハナ(パキタ)
- 登山口8/18 キジマトラ(ゼブラ)
- 沢沿いにコマガタケスグリ多い: ミヤマドウボソ
- 沢沿い1600-2100m 8/1 シンシュウヒメハナ
- 沢沿い、小屋 8/2 シナノヒメハナ(スズキイ)
- 小屋 8/2 ワルサワダケヒメハナ
- 別の有名な小屋2400m 7下旬 タカネヒメハナ(ツカモトイ)
- 別の有名な小屋2400m 7中旬 ホソムネシラホシヒゲナガコバネ(イケダイ)
- 別の有名な小屋の上 7下旬 オトメクビアカハナ(オトメ)
シンシュウについては原記載論文でパラタイプ標本がここで採集されたことが書かれている。
オヤマヒメハナカミキリ
とにかく上(2500m)から下(1500m)まで多かった。始終「おやまあ」とひとりごちていた。メスは今回の狙いのワルサワダケヒメハナに似て輪がつながったりするので紛らわしい。小屋より上にしかワルサワはいないのでこの辺では無視。
コマガタケスグリ
穂や実があるから目だつと思ってたけど見当たらない。この葉の形そうじゃなかったっけ、と高さ1mほどのまとまった群落をよく見ると小さい緑の実があった。あぶない。これだったか。茎をよく探す。
ミヤマドウボソカミキリ★
さて、同定です。
上から接写
これが東京の900mのアジサイにいた、ミヤマっぽい個体を同じ条件で撮影したもの。うーーーーーーん、同じじゃね?東京のミヤマっぽいドウボソはミヤマってことでいいのか。
真横から顔を撮影。ミヤマ。
東京アジサイ。
これは東海大図鑑の図をトレースして重ねてみた図。赤がドウボソ、青がミヤマ。うーん。わからん。「頬」の下をどこから測るかでも変わってくるし。
これは仮説というか妄想だけど、気温によって蛹化するのに一年あるいは二年かかり、気温が低く二年の場合は大型になりミヤマ形質が出るんじゃなかろうか。コマガタケスグリは亜高山帯にあるので、これにつく集団は必然的に低温で二年かかりミヤマ形質になると。
コマガタケスグリで夏に材採して下界で羽化させれば検証できる。
コマガタケスグリ
クモマベニヒカゲ★
高山蝶は予習してこなかったので、後ろから来た集団にはベニヒカゲですとシッタカで教えてしまった。ベニヒカゲも見たことないんですけど。小屋に着いて、置いてあった蝶の図鑑を見てようやくクモベニだと分かった。
小屋
周辺で新鮮なシラビソ伐採材がありイケダイを期待したが霧雨では無理だった。またツカモトイも探そうと思っていたがダケカンバが斜面と雪で大きくなれないようで、いい感じの樹皮のを見つけられなかった。
同じ標高の上高地D小屋では今頃ナナカマドがちょうど良かったので期待したが、ここのナナカマドはすでに花のカケラもない。6月に咲くんだそうで。ガーン。今日、長竿一度も使ってない。夕方遅くから雨が強くなる。探索はあきらめて小屋で休憩。
小屋は新しくとても快適。ほかの小屋じゃないような名物もいろいろ。