0-01-01から1ヶ月間の記事一覧

作中の天体についての考察(ネタバレ)

ハブ(Hub)の正体 イーガンの短編「プランク・ダイヴ」ではブラックホールへ飛び込む人がどのような体験をするかが描かれています。しかしあの短編で描かれているのは球対称で数学的に単純な「シュヴァルツシルト・ブラックホール」で、実際のブラックホール…

巻末の参考文献リンク+よさげな本

参考文献 (↓物理の人は「電話帳」と呼ぶ本)重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ作者: J. A. Wheeler,C. W. Misner,K. S. Thorne,若野省己出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2011/04/07メディア: 単行本 クリッ…

用語の細かい点など

メテオ/meteor: 厳密には地上に落ちたものを隕石/meteorと呼ぶようですが、原文でもmeteorとなっているので。 揮発性物質/volatiles: http://en.wikipedia.org/wiki/Volatiles 惑星科学の分野で沸点の低い物質のこと。シンナーとかのことではありません(分…

26章

数値相対論 資料いろいろ http://rironkon.jp/sim2002/invited/mshibata/mshitaba.ppt http://ea.c.u-tokyo.ac.jp/astro/Members/shibata/jps06.pdf http://th.nao.ac.jp/meeting/rironkon11/oral-files/sekiguchi2.pdf うちらの世界では、まずザックの原理(…

20章

石を回転する話 石を斜めに回転させた時に赤い線の上の点がどのくらい動くかを矢印で書くと、場所によって長さと角度が違うけど、赤い線の方向への移動距離は一定。 作者による解説 http://gregegan.customer.netspace.net.au/INCANDESCENCE/Symmetry/Symmet…

16章

「1/4の円弧」 降着円盤を遠くから見た場合に重力で歪んでどう見えるか、というのは天文学の分野で重要なので色々計算されているようですが、この章でのように至近距離で見た場合というのは計算例を見つけられませんでした。観察者自身の周囲の時空も相当湾…

15章

テラヘルツ波 赤外線とマイクロ波の中間あたりの電磁波はテラヘルツ帯と呼ばれ、金属以外の物質を透過しやすいのでX線に代わって空港などのセキュリティに応用しようという研究があります。 参考記事:http://physicsworld.com/cws/article/news/2012/jun/12/…

14章

数の数え方 六本の脚を使って6進数で数えてるようです。 「いちばん単純な幾何学」 =球対称なシュワルツシルト解

13章

ジャイロ 多数の精密な加速度計がふたつの逆方向に回転する超伝導電流間の位相差を計測することでセグメントの方向を把握し 超伝導をジャイロに使う装置があるようです。 http://einstein.stanford.edu/TECH/technology1.html おそらく各セグメントの位置は…

12章

この章では曲がった空間を扱う幾何学(非ユークリッド幾何学とかリーマン幾何学とか呼ばれる)の中心概念が説明されています。更に相対性理論やローレンツ変換なんかにも到達しています。この章はちょっと気合いが必要です。 気合!入れて!行きます!(cv 比…

11章

これまで判明したことのまとめ。しばらく改行 恒星<侵入者>が一億五千万年前に星系を通過、居住惑星を引き離して連れ去る。その一億年後、今度は中性子星か何かが<侵入者>とその周囲を周回していた惑星に接近し惑星は潮汐力で破壊され小惑星帯に。一部が…

8章

旋回させる重さ/swerve weight こちらの世界では「コリオリ力」と呼ばれています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%81%AE%E5%8A%9B 石の軌跡 作者のHPで実際に石を発射して実験できます http://gregegan.customer.ne…

6章

方向の名前とスプリンターの軌道との関係についてザックが考えを説明します。ラーブとシャークは軌道に沿った方向、ガームとサードは内側と外側、ショマルとジュヌーブは軌道面の上と下。今後ずっと方向の名前が出てくるのでゴロ合わせとかで覚えておかない…

2章

スプリンター (Splinter)の図:印刷していろいろ記入すると便利かも 重さの地図 F=maは忘れよう! 本書では一貫してこちらの世界の物理の概念と違う形式で力学が展開します。ある現象を新しい角度から見るというのはSFの醍醐味なので、すぐにこちらの物理の…

1章

詳細な銀河系の地図:http://galaxymap.org/drupal/node/171

はじめに

白熱光 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: グレッグ・イーガン,Rey.Hori,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/12/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (27件) を見るグレッグ・イーガン『白熱光』の図やリンクなどが置いてあります。11章以外は…