ミヤマドウボソカミキリ

撮影機材: https://ita.hatenadiary.jp/entry/2025/04/17/000000

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以前、御岳山でミヤマドウボソっぽい微妙なのを採集しました。標高が800mほどで微妙、アジサイからでした。
それ以来、ドウボソと本当に別種なのか?と考えておりました。ただ、高地のコマガタケスグリから得られるものは安定してミヤマっぽい。
ホストの違いによるという可能性もあるけど、高地のツルアジサイなんかでも得られる。そこで思いついたのが羽化までの時間の違い。
高地では気温が低く、羽化までに2年かかるのではないか。ミヤマのほうが大きいという傾向があるので。一年と二年の違いであれば、不連続な形質の違いが出てきてもおかしくない。高尾山あたりだと4月にアジサイの枯れ茎に蛹がいて5月には出てきた。確実に1年生だろう。ということで、ミヤマドウボソの入ったコマガタケスグリを秋ごろに取ってきて加温すれば一年で出てくるのでは?そしてそれが普通のドウボソなら仮説が立証される。
ということで、もう一年前の話になりますが採取してきました。場所は裏御嶽、パキタの有名な場所で意外といい材が多く幼虫も複数確保。気が付かなかったな。タニグチ=マヤサン境界線としても知られている沢で、詰めたあたりでハイブリッドを探したという話も読んだり現地でお会いした方に聞いたりしたけど、今じゃ熊が怖くてとてもできないな。
ただ、どの幼虫もかなり大きくすでに一年経過している雰囲気。風呂場とかで加温したら、11月のうちに蛹になる個体もいました。
そこで加温をやめたら、通常は甲虫の蛹は二週間もすれば羽化しますが一月経っても一向に色がつかない。試しにもう一度加温したらすぐに色がついて年内には羽化してきました。

ミヤマドウボソカミキリ

まあ二年生なので、検証にはならないですね。一年ではギリ足りないけど秋には蛹になってそうです。蛹で無防備だけど冬に雪にうもれてたらアリも心配ないのでしょう。四国九州のシロスジドウボソなんかも同じ感じで成虫越冬だったかな?一年生の幼虫は入っていなかったようで、検証は不発。


余談ですが、「鹿児島県のカミキリムシ」は主著者の森さんによる幼虫の生態に関する知見がすごいんですが、カスリドウボソの幼虫なんかは食べる部分がなくなるとあえて穴をあけてクモやアリを誘い入れて捕食する、当然返り討ちにもあう、ということが書かれておりビックリでした。
ズーデスに関する昔の月刊むしの記事なんかはコピーしてきて穴があくまで拝読しましたが、著者の森さんがつい最近亡くなられたそうで大変に残念です。

http://toukaze.blog88.fc2.com/

かっこいい名前

カミキリの学名、和名に関する考察
https://note.com/juicy_tulip3238/n/n5d7240ae1c50
キヌツヤハナ、すごいですね。こういう名前ばかりだと楽しいんでしょうけど。
とはいえ世界各国を旅して虫を採集し、長い船旅の合間にラテン語ギリシャの古典を嗜んでいたであろう欧州の教養人とは違い、現代の分類学者は予算申請ト学生指導ト雑務ヲ遺漏ナク遂行シ余力ヲ持ッテシテ研究ヲ遂行ス、という状況でラテン語なぞやってらっれっか、という話だろうし、暇があれば採集に行くだろうし。

ラテン語の語源を調べるのは語の変化などもあり単純な検索では難しいですが、ChatGPTはかなり優秀でした。例えばヌバタマハナカミキリ Judolidia bangi Pic, 1902。属の名前はJudolia (Mulsant, 1863)シララカハナカミキリ属が由来で、その少し小さい仲間という意味であろうと教えてくれました。またbangiは昆虫学者・標本商のAndreas Bang-Haasへの献名であろう、とのことでした。
最近だとかっこいいのは

  • ナナセキハムシ Chrysolina orochi 大蛇
  • リュウジンオオムカデ Scolopendra alcyona ギリシャ神話の人物アルキュオネー
  • カエンツヤドロムシ Urumaelmis flammea 火炎
  • イカチュウチュウ Nybelinia enterika イカの腸

これはどうよ、ってやつ
https://novataxa.blogspot.com/2023/05/luthela.html

だそうで。京アニとカラーの承認は得てるんかね?

見ておくがよい…半世紀ぶりの記録を狙うとは、大体こういう事だぁー!

撮影機材: https://ita.hatenadiary.jp/entry/2025/04/17/000000
採集機材:https://ita.hatenadiary.jp/entry/20180816/p2
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東京都で半世紀ぶりのカミキリ記録を狙って爆散してきました。

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ぼくのなつやすみ:ミカン山の大冒険

撮影機材: https://ita.hatenadiary.jp/entry/2025/04/17/000000
採集機材:https://ita.hatenadiary.jp/entry/20180816/p2
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虫屋になる前は昆虫の本番は8月だと思ってましたね。なんでなんですかね。
最近は8月に平地で虫を探すこともなくなりました。低くても高尾山で夕方。あるいは夜の大隅。最近の酷暑のせいもあるんでしょうけど、8月の平地で昼間に虫さがしても暑いだけですし。
でもこの時期でもいそうなタマムシを探しに行ってみました。なんでもミカンの害虫で南の方から小田原あたりまで進出しているらしく。Google地図を見ると、小田原から熱海あたりまで、また伊豆半島の向こうでも海沿いの南向きの斜面には道がうねうね走ってて石垣になってて、そこらじゅうにミカン畑があるようで。駅から歩けそうなミカン山に行ってみました。8月の暑い昼間に歩きで虫を探していると、なんだか懐かしい気分になりました。

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ひたすらヤチダモ大決戦

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作戦第二フェイズ、ひたすらヤチダモ作戦はいきなりクライマックスに突入!
ヤチダモの「裏のラスボス」を討ち取りに行きます。「表のラスボス」はアオナガタマムシ。しかし北米でブイブイ言わせたために生態を解明されたアオナガ、通称EAB(Emerald Ash Borer)は行くとこへ行けばそれなりに見つかります。裏のラスボスは生態が不明。局地的に棲息してるけど、その他にもいるのか不明。ホストも不明。去年は星になった1exを見つけているので、その周辺を重点的に探して生態解明の手掛かりを得たいところ。一泊二日で挑みます。ヤチダモ掬うけど、他の植物も掬ってみる。

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ヤチダモ作戦に移行

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ひたすらシデ作戦からひたすらヤチダモ作戦に移行。
まずは涼しい湖畔のヤチダモ林でアオナガタマの生態写真でも狙えれば、と。
しかし現地でお会いした方から、その林にはいないということを教えて頂く。以前ヤチダモを一日掬ってもナガタマ0だったんですけど、とお話ししたら、そうなんです、いないんです、とのこと。むー。
まあ、もともと発見済みのアオナガタマを余裕こいて生態狙いというスタンスだったので、のんびりと五目撮りに出かけました。

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