「白熱光」解説記事

SFが読みたい! 2015年版

SFが読みたい! 2015年版

「SFが読みたい2015年版」に短い記事を寄稿しました。冒頭はこんなかんじ

「白熱光」の偶数章では、我々の世界の物理学とは違う視点でニュートン力学相対性理論などが展開されますが、こちらの世界の物理学とどう対応するのかはあえて説明がありません。こちらの世界の物理学に挫折した人も、リフレッシュして別の視点で虫さんたちと一緒に物理に再挑戦しよう!といったノリでしょうか。本稿では、こちらの物理学との比較を行って、作中で何が進行しているのか種明しをしようと思います。

(1)初級編:ニュートン力学
物理を勉強すると最初に出てくる力学。基本中の基本ですが直感的に理解するのは意外と難しいものです。例えば、「力が働かない物体は同じ速さで運動し続ける」という慣性の法則。現実世界では路面の抵抗などがあるので、人間は普通、動いている=何かの推進力が働いている、と経験的に考えてしまいます。ディズニーランドのスターツアーズでは宇宙船が発進すると床が小刻みに振動しますが、車に乗っている時の経験から宇宙船が前進しているように錯覚してしまいます。しかし宇宙空間で一定速度で前進している場合はエンジン推進は不要なので、宇宙船の中では外の空間に対して静止しているのか動いているのかは分かりません。

続きは紙で!

前野[いろもの物理学者]昌弘さんには草稿を読んでいただきアドバイスを頂きました。ありがとうございます。