八ヶ岳で散々

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背景

この土日は元々、八ヶ岳へピドニア狙いに行く予定でした。前の週の鳳凰遠征でsuzukii, tsukamotoiが見付からなかった場合の二の太刀として。鳳凰では難易度高い方のtsukamotoiを落とせたのでsuzukii単騎となりました。これを見つければ高山性ピドニア御三家、tsukamotoi, suzukii, signataを制覇したことに(難易度順。signataことフイリは上高地と御嶽で撮影済)。2000m以上限定ということだとワルサワダケも入るが、数が多いので除外。
土日天気悪い方でピドニア、良い方でパキタなど狙う予定でしたが台風直撃でピドニア一択に。土曜は家で材の整理などして日曜に出撃。南アか八ヶ岳か、ということになりますが、虫で訪れたことのない八ヶ岳に決定。候補地は3つ。H温泉、S池、M峠。記録の有無は

suzukii tsukamotoi
H
S
M

Hに決定。ここはP.hayakawaiのタイプ産地でもあります。予定としては2100mに車横付けでサクっと。帰りに温泉はいったり。

兵站

新幹線で佐久平、レンタカーで移動片道1時間+悪路30分くらい?
誤算だったのはレンタカーの軽自動車でかなりの悪路をゆっくり走破した後、歩きが一時間あったこと。雨まじりなのでゴム長で歩きます。知ってたら防水性のある登山靴で来てた。マメがむけてしまった。
もう一つの大誤算は鹿害でショウマやセリ、シシウドが全くなかったこと。7月上旬ならナナカマド、中旬はシャクナゲで狙えそうでしたが、下旬が全滅。シャクナゲはそこら中に群生していて、花が散った状態。温泉前にセリが二株だけあり、一週間後に咲きそうな感じだった。時期が微妙。

シャクナゲの花

よく見ると茶色く萎びた花にブービエかアサマが群れています。相当悪い食糧事情の模様。


カクムネヒメハナカミキリ


萎びた花を掬ってみるとカクムネの他にヨコモンやニセフタオビなど。

ブービエヒメハナカミキリ


歩き回って唯一咲き残ったシャクナゲを数輪発見。小雨ながらカクムネなどが群れています。

ホソガタヒメハナカミキリ


ルッキングで黒っぽいの捕獲。ホソガタでした。うーん残念。suzukiiに似てるんだよね。

作戦変更

小雨の中、ブービエ系などは飛来していたのが、午後になると動きもなくなり終了。tsukamotoi狙いでダケカンバの大木があるエリアでビーティングするも、雨だと駄目な模様。ヌルでした。シラフヒゲナガが落ちて驚いた。

ここでのsuzukiiの記録は81-07-19(2exs)となっている。この年に鹿害がどの程度だったか不明だけど、まだシャクナゲが咲残っている時期に、出始めの個体を狙う感じか。厳しそうだ。hayakawaiはナナカマドの季節だろうな。今年岐阜1800mで6末にナナカマドで見つけたし。tsukamotoiの記録は85-07-21。なんとか同時に狙えるかな。
まあハクバ、シナノあたりは来年の夏に天気悪かった場合のカードとして残しておいてもいい。クロヨコモン、ミチノクなんかは登山を伴うので、できればそれなりの好天で狙いたい。
まあただ、ハクバ、シンシュウ、ヒスイ、ホクリクあたりの現行図鑑で「遺伝的に差はない」と書かれている連中は次の図鑑で大幅リストラの可能性もあり、またセスジは細かくなる可能性もある。ミワはどっかで副産物で撮れそうなんで敢えて狙わない。ミセンは長野で狙うのは無理ゲーなんでマホロバと一緒に紀州で狙う。オオミネ、キイは若干時期がずれる。
こんな所で佐渡、粟島以外の近畿以東は全てかな。これに大山のシラユキを加えれば本州制覇。

鳳凰山

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背景

自分の関東甲信エリア未撮影カミキリListにずっと居座り続ける、ホソムネシラホシヒゲナガコバネカミキリ。南ア全域に棲息していると考えられますが、鳳凰山以外での記録は非常に少ない。去年は北岳で狙ったものの雨で不戦負。
やはり鳳凰か、と覚悟を決めました。Genkaさんの採集記(http://tokyoinsects.web.fc2.com/activity2009/houou090726.html)を読んで、いつかは行かねば、と思っていたのです。今シーズン終わる頃には50歳になるので、行くなら40代だな、と。♪49歳の夏だから〜
鳳凰山でのターゲットは三種。

  • ikedai:ホソムネシラホシヒゲナガコバネカミキリ
  • tsukamotoi:タカネヒメハナカミキリ
  • suzukii:シナノヒメハナカミキリ
  • ダメ元でオトメ

去年行った北岳(白根御池)ではこれに加え、ミヤマドウボソ、ワルサワダケヒメハナ、ホクチチビハナ、シンシュウヒメハナ、パキタ、ゼブラをターゲットに加えていましたが、ミヤマドウボソ、ワルサワを撮影。今年になってホクチチビハナ、シンシュウヒメハナをよそで撮影。ターゲットを絞れました。PとZに関してはまたよそで狙う。二日で3つ全部見つかるとは思わないけど、翌週に鈴木・塚本が狙える八ヶ岳に行くバックアッププランを策定済み。この2つに関しては「見つかればもうけもの」というスタンスで挑むことができる。

鈴木 Pidonia (Pidonia) suzukii

池田、塚本に関して詳しくはGenkaさんの採集記を読んで頂くとして、鈴木について。主に南ア、八ヶ岳の1800m以上のエリアに棲息している、黒い部分の多いピドニア。前胸の形状が独特。記載は1982年で、記載論文はなんとか先生退官記念論文集に掲載。科博とかに複写依頼しないと入手できない。また著作権の問題で論文の半分以上は複写できない。まあ記載論文じっくり読まなくても同定には困らない。タイプ産地のデータだけ複写で手に入れた。

塚本 Pidonia (Pidonia) tsukamotoi

1957年に塚本珪一氏により仙丈岳で採集され、20年経った1978年に新種記載されたが、標本が1オス1メスしかないため変異個体ではないかとの疑義もあったという。そして翌年1979年に山梨の八丁平にて再発見される。訪花せず、置いていたビーティングネットについていたり、ピットフォールトラップに入っていたりと、かなり独特の生態を持ち、それが再発見されなかった理由であると思われた。この再発見が1982年に甲虫ニュースに掲載され、1984年には鳳凰小屋でも発見される。たまたま報文が載った月刊むしを持っていたが、それによると干した布団や壁についていたそうな。ちなみに1984年はヤンバルテナガコガネが発見され、その生態からの推測でヒラヤマコブハナがウロにいると分かるなど、レアな甲虫の生態が続々と判明した年であった。その後も鳳凰小屋の細田さんふくめカミキリ猛者たちが生態解明に挑み、月刊むしだけでもNo. 166 190 178 140 217 262 263 202 227に記事がある。去年は八丁平に行ってみたがヌル。http://d.hatena.ne.jp/ita/20170715/p1

池田 Molorchus ikedai

1984年の記載時にはMolorchus minor ikedaiとして記載。つまり主に北海道に棲息するミノールことシラホシヒゲナガコバネカミキリの本土亜種という分類だったが、2007年の東海大学の図鑑では独立種Molorchus ikedaiに昇格。和名命名時は亜種だったので○○+基亜種名とするのが妥当で、そのため日本で二番目に長い和名となった。今ならいっそイケダヒゲナガコバネにしてもいいと思うんだが。最初の記録は南ア両俣(1981年7月19日 池田清彦・山上明・鈴木和利・岩田隆太郎)となっている。ikedaiの池田さん、suzukiiの鈴木さん、iwatai(カスガエゾトラ)の岩田さん。

兵站

韮崎7:10のバスで登山口へ。御座石と青木、どちらへもバスで行けるが、今回は鈴木の記録のある燕頭山を通りたかったので御座石ルートを往復。韮崎で前泊したが、駅前に何もないので甲府で泊まるか野宿するかして、朝JRで移動しても間に合う。甲府駅は登山者用の野宿スペースがあるし、あずさも止まる。電車往復6000円くらい(帰りにあずさ指定とれず普通列車)前泊5000円、バス往復3400円、鳳凰小屋一泊二食8000円。
備品備忘録(一泊):着替え一日、雨具、下界用ビーサンカロリーメイト4箱、水分3L、タブレット(オフライン地図GPS導入)&モバイルバッテリー、ヘッドランプとペンライト、予備電池、採集&撮影用具、ムヒアルファ、地図。命に係わる物以外は省いた軽量装備で、おそらく水込み竿ぬきで10kg以下。9m竿を担いでも登山に支障ないコースだった。

登山者スペック

川苔山に鳩ノ巣から1000m登って降りて特に筋肉痛もない程度。今回は標高差1300m、エアリアタイムは5.5時間。無駄にスイープしながら稜線を歩いたので小屋に着いたら足がつりかけた。

御座石鉱泉(1080m)〜燕頭山(2105m)

御座石ルートは整備されていて特に危ない場所はない。ブナ帯でいい感じの立ち枯れやカツラ巨木なども多いけど登りは見ている余裕なし。水分節約のため鼻で息して口開けず呼吸できるペースを保つ。約三時間で到達。エアリアタイムは三時間半。スズキイ探すも花が少ない。発見できず。ここまででほぼ標高差は稼ぎ終わる。

燕頭山〜稜線

ガスが出てきて涼しくなった。花はほとんど無い。立ち枯れ、倒木は多かったけどガスのためカミキリの雰囲気なし。
2000m越えるといつも高山酔いっぽくなることを思いだし、ためしに口で息してあくびもたくさんしたら大丈夫だった。

稜線〜鳳凰小屋(2380m)

小屋の周辺だけシシウドやセリなど花が非常に多い。後で細田さんに伺った話では鹿を追い払っているからだとか。他の場所ではみんな食べられたらしい。長竿もって宿泊手続きすると、スタッフの方が「虫屋さんですよ〜」と細田さんを呼んでくれました。スズキイを狙ったけど取れなかったこと、イケダイとツカモトイを狙いに来たことを伝えると、イケダイがほぼ終わりだという衝撃の事実を教わる。ガビーン。最近ではだいたい7月中旬くらいがメインのようだ。周辺をしばらく散策。

クモマハナカミキリ

たくさんいる!これは少ないほうのオレンジタイプ。

クモマベニヒカゲ

これもたくさん!というか他の蝶を見てない気がする。もう別世界ですね。

ダブル!!

ワルサワダケヒメハナカミキリ

標高2400m近いのでこれが多い。


ホソムネシラホシヒゲナガコバネカミキリ★

しばらく散策して見つけられなかったが、発生ポイントを教えていただき、なんとか1exだけ発見。危なかった!塚本、鈴木はまだ他にも車横付けで探せる場所があるが、池田はそういう訳にはいかない。
なんでも乾燥したシラビソなどの材を好むそうで、なかなかそういう倒木はフィールドにはない。ピニボラやミノールはカラマツ材が積んであればぶんぶん来るイメージなんだけど。

比較用:北海道のシラホシヒゲナガコバネカミキリ

比較用:ピニボラことオニヒゲナガコバネカミキリ
オニヒゲナガコバネカミキリ

中川「全部同じじゃないですか!?」本田「ちがいますよーっ」両津「これだからしろうとはだめだ!もっとよく見ろ」

  • イケダイ、ミノールはピニボラに比べ上翅の逆ハの字の角度が狭い
  • イケダイはミノールより前胸が細い

さらに散策

細田さんに無事1つ見つけたことを報告。塚本が活動する夕食後に場所を教えて頂けることに。ワクワク。それまでさらに散策。

倒木

枯れ葉付きの割と新しいシラビソ。

ハイイロハナカミキリ

これがいた。更にシロオビドイなどを狙って枯れ枝をビーティングしてみる。

タカネヒメハナカミキリ★

うおおおおおおおおお!
うおおおおおおおおおお!
塚本おおおおおおおおお!
とれてしまったああああああ!

捕獲後撮影。上翅斑紋はオオヒメハナとかキベリクロに似ているが前胸が黒いしサイズが小さい。似たのはいない。

夕食

名物のカレー、おかわり自由。ごちそうさま。「ツカモトイ取れちゃいました!」と写真で報告。喜んでいただけた。夕食後に細田さんのポイントを教えて頂く。なるほどー。薄暮の中、スイープしてみる。しかし気が抜けたせいか、ヌル。

ミヤマルリハムシ

スイープで入る。青い。

細田さんにカミキリのお話を聞く。先週は風に飛ばされたオトメが取れたそう。さらにパキタも。なんと〜。
オトメはハイマツの花にいるんだろうけど、ほぼ特別保護区。でも写真ONLYの自分なら狙えるので明日のターゲット決定。

Day 2

3時頃からご来光狙いの登山者が動き始めて目が覚める。4時過ぎに明るくなったので朝食の5:30まで塚本を狙ってみる。気温が低くても狙えるそう。しかし、やはり気が抜けたせいかヌル。ダケカンバの立ち枯れなんかも見てみるがいない。朝食後、地蔵ピストンで行くと細田さんにお伝えし出発。

観音岳

めっちゃ天気よくてガスもなし。こんなコンディションそうそうない。

ハイマツ

そして花もバッチリ!こんなコンディションそうそうない。7:30くらいから8:00まで同じ群落で張り込み。クビナガムシが2〜3匹。そのうちピドニアも1匹来る。しかしどうなんだろ、こんだけピーカンならオトメは8時でも出てるんじゃないか。他の群落も見るために移動。

北岳

右下の白い点が白根御池小屋。去年はここに泊まり、稜線に出て画面中央くらいまで登った。ハイマツだけになったので頂上は無視して引き返した。

地蔵岳

鳳凰三山の一つに到着。

地蔵岳オベリスク

一番高いのはこの岩の頂点だけど、そこに行くにはザイルワークが必要。行かなくても登頂したとみなされる。手前に写るのはいい感じのハイマツの花。ここに来るまでいくつか咲いているハイマツを見てみたがオトメは見つからず。あとは下るだけなんでこれが最後のハイマツ。しかしここでもオトメ見つからず。そのうちガスってきた。時間は10:00くらいか。


下山

小屋まで下山。昨日のツカモトいた倒木あたりでもう一度探してみたがヌル。
下りでもスズキイを探そうと思い、11:00に下山開始。オーナーとスタッフの方々にご挨拶。今度来るときは電話で虫の状況を聞いてから来なさいとアドバイスをいただく。ありがとうございます。

天然カラマツ

稜線上で立派なテンカラがあることに気が付いた。なんか貫禄あって、「ふぉっふぉっふぉ、よく来たの」とか喋りそう。こういう木が本来の生息環境であるカラマツカミキリが見つかったらうれしいな〜、と探してみる。枯れてない巨木につくカミキリって、なんかロマンじゃないですか〜。

カラマツカミキリ

おおー!いた!


燕頭山

時間は昼過ぎ。数少ない花にはオヤマばっかり。心が折れる
更に下山。登りでは掬わなかったノリウツギを掬うと、次第にオオヒメハナとかニセヨコモンとかニンフとか、お馴染みさんが増えてきてテンション下がる。下りでモモがパンパンだけどミズナラのウロとかカツラ大木なんかも見てみるが発見なし。おまけに標高を下げるとともに気温がグングン上がる。
トロトロと下山し御座石に到着。時間に余裕をみたので17:15のバスまでには一時間ほどある。温泉でコーラ買ったらサービスで桃をいただきました。うまかった。

総括

40代最後の夏に念願の鳳凰山、イケダイ、ツカモトイ。何も付け加えることはございません。

北海道遠征:Day 2-3

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Day 2: 勝ちに不思議の勝ちあり

カミキリ人生で五指に入る、「不思議の勝ち」の日でした*1
この日の予報は北海道全域で雨。採集は捨てて明日に向けてロケハン主体で行くと決めました。「今日より明日なんじゃ〜」
まず車中泊ポイントから移動しつつ枝道の林道をいくつかチェック。何本目かで、巨大な土場を発見。トドマツが100本ほど積まれた山が5つくらいありました。ひえー。昨夜晴れてるうちにここを夜回りしてれば。エゾマツっぽいのも少ないけど脇にまとめてあります。うーん。しかし明日晴れたとしても今日これだけ雨が降っていたら材が乾かないと意味ない。千歳までは遠いし。迷うな。次に向かったのは某レアなトラのエリア。去年知人が採集している実績あり。ここでホストに関して若干勘違いをしていて、車でだいぶ流してホストが見つからなかった。でも実際はたぶん一杯あって別の植物だと思っていた。仕方ないので別の林道も流してみる。やはり見つからない。途中でハルニレが十本ほど伐採された場所を発見。粗朶もたくさんある。ヨコグロケシ・チャーンス!雨が上がったばかりなので粗朶の密集したところで雨宿りしてるかなと思いビーティングしようとするも、意外と密集してないし藪漕ぎも必要。あきらめた。
材も花もだめだから、コウノニセリンゴとヨコグロケシ狙いでハルニレやオニグルミの密集した葉(雨宿りできる)や枯れたり萎れた葉を掬うことにした。

謎のモモブトカミキリ

するとこれが入った。広葉樹ならゴマダラモモブトしかないが、昨日ドロノキで見たばかりなので色が違うと分かる。この赤っぽい色はミヤマかナカバヤシだが、雨で濡れているせいかもしれない。ただ、気のせいか触角が長い気がする。だとしたらナカバヤシか。いやいや、ハルニレ掬ってナカバヤシか?ねぇよ。遠くに針葉樹は一応見えるが。その場で画像検索しようとするが電波がこない。とりあえず後回しだ。

ヨコグロケシカミキリ★

葉を掬っていると、ホクチチビハナみたいな小さいカミキリがふわーっと飛ぶのが見えたのでネットイン。肉眼では上翅中央に線が見えてイワサキケブカかと思った。撮影してみると、肩の部分が張り出して茶色い。うーん、すくなくともクリイロチビケブカやホソヒゲケブカでこんなのは見たことない。となると、ヨコグロケシか!これも検索できないので確証はなかったけど、かなり自信はあった。結果、正解であった。やったーーー!南会津などでも7月に採れるけど、なかなかその時期に副産物がなくて行けなかったんだよねー。


ホテルで撮影


祝宴

足寄で豪華な夕食2000円。ここで画像検索しヨコグロケシとナカバヤシ確定。うはー。

移動

雨は上がり、気温も20度ほどある。これはあれだ。Dポイントへ行こう。
灯火が明るい場所に到着。無数の蛾が飛び回っている。こういう状況なら地面にクワガタが何匹か落ちてるはずだが、いない。おかしいな。

ゴンお前だったか!

食べてたんだなテメェ。

そのうち逃げなくなった。気にせず甲虫の飛来を待つ。

ダイコクコガネ メス★

キター!羽音がデカかった。飛翔中をネットイン。10分後にまたメス。

ミヤマクワガタ

これも飛来。

ダイコクコガネ オス★

大きく見えたのでクワガタだと思ったが、ネットの中を見て狂喜!うおおおお、カッチョエエエエ!


移動

大満足。撮影のためホテルを急遽おさえて宿泊。

ナカバヤシモモブトカミキリ★

いやー、いいですなあ、この触角と色合い。しかし東京で三回ほど挑戦しヌルだったけど、こんな出会いがあるとはね。

これは自宅で撮影。松樹皮を後食したり産卵したりするかと観察したがどちらもせず。


Day 3

この日は有名な札幌の円山へ行こうと楽しみにしていた。網使わず撮影のみになるけど。しかし朝7時に雨雲予想を見ると、昼頃に見事にギリギリ札幌を直撃している。その後晴れたとしても立ち枯れが濡れてはどうしょうもない。色々検討し、札幌からさらに南へ行き雨雲を避けることにした。
現地についてみると、なかなかいい植生。

エゾマイマイカブリ

立ち枯れで発見。藪に突進し確保。きれいだわー。

道路を疾走するのを追って撮影。

立ち枯れエリア

ある原因のため、立ち枯れの巨木が多い。こんなミズナラ巨木半枯れも。近づいてみると踏み跡がある。なるほど。なんの事前情報もなく来てみたが、虫屋の嗅覚は機能していたようだ。しかし虫がこない。枯れ方の問題で菌が違うのか。

ジュウニキボシカミキリ

地上3mに葉があるという、常識では考えられないハリギリがあり、掬ってみると入った。いや普通は20mくらいの高さで、林縁で6mとかそんなもんだよ。

時間切れ

狙い通り、快晴が続いてヘバるくらい暑い。アオダモっぽいのを掬ってオブリウム狙ったり、クルミでコウノニセリンゴ狙ったり、柳の倒木を見たりしたけど収穫なし。二時くらいに撤収。飛行機は千歳で18:30。
雨の日に自己初の難物2落として、晴れの日に何も落ちないか。分からないもんだ。いろいろタラレバはあるけども、ちょっと虻蜂取らずの感がある今回の遠征であった。
にしても、北海道特産種を楽しんで修羅の道から離れるつもりだったのに、本州の難物を落とすことになるとは。「所詮、血塗られた道か。」そういえば北海道で北海道にいないはずのカラマツカミキリ見つけたこともあったな。

ラギウム幼虫

おまけ。ちょっと表面がしなびてきている気がする。元気はあるのでそろそろ蛹化?

*1:他はヤツボシ、ヒトオビチビ、ピックチビコブ

北海道遠征:Day 1

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背景

最近、関東甲信越で自己初カミキリを見つけるのが修羅の道となっております。昔はラミーカミキリコンデジで撮影して幸せだったのに。難物ターゲットそれぞれに対し、知力を尽くして作戦を立案し、体力の限りを尽くして探す。そして見つかったり見つからなかったり。勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。ヌルだった時は自分に何が足りなかったかを考える。最悪なのは後追いポイントでヌルだった場合。この場合、時期やコンディションの選択を誤ったか、現地での探索能力が劣っていたかしか理由がない。新規開拓なら、いなかったというのも一つの情報にはなる。そんな求道者のようなことを何でやってるんだろうね趣味なのに。
というわけで北の大地でリフレッシュ、ウハウハするぜー!
兵站:飛行機ジェットスター4.5万、竿預け0.4万、成田前泊0.8万、軽自動車三日3万、移動1060km ガス0.8万 ETC 0.8万、車中一泊、ホテル一泊0.9万。成田で前泊し朝6:05の飛行機で7:30千歳着。8時から移動、昼前に大雪山周辺着。旭川便にしろよ、って話ですが直前で空いてなく、天気も微妙で札幌と大雪の天気いい方へ行く作戦だったので。

クロハナカミキリ

天気は晴れ。セリなどに虫がブンブンきてます。カミキリもたくさん。以下の4種が優占。

ルリハナカミキリ

モモブトハナカミキリ

ヤツボシハナカミキリ

ホクチチビハナカミキリ★

やったね。本州ではあまり見つからないが北海道ではたくさん。

ハンゴンソウ?の上で大パーティ


林道、雪

標高上げると、まだ雪があります。このため上はガスガスです。

ショウマ

たくさん咲いているけど濡れている。居残りチェック

クビボソハナカミキリ★

いえーい、濡れて寒く動けません。試しに掬ってみたら落ちない。こりゃルッキングしかないな。

別個体。



移動

新規飛来がないので別のポイントへ移動。しかし花を見つけられず、引き返し途中の河川敷を攻めることに。

オオイチモンジ

お、これがいるということはドロノキがあるんだな。(逆だろ)




ドロノキ

ヤマナラシモモブトを探します。しかし若干新しいかな。

トホシカミキリ

なにかポロっと落ちた。よく探すと、やはりこっちか。
上高地で撮影しまくった時は、もっと黄色みが強かった気がしたが、思い出補正だったようで、これも十分色味が強い。奥日光なんかは灰色になる。


産卵加工。右は出てきた後の木くずだと思う。

移動

温泉に入るため移動。途中で倒木をたくさん発見。

シラビソ?

訂正:北海道ではトドマツ、それが本州で分化したのがシラビソのようです

シラフヨツボシヒゲナガカミキリ

ヒゲナガ寒冷地仕様

エゾマツ?

お、これはシラビソより期待できるぞ。

カラフトモモブトカミキリ★

おおー。自己初3つめ。白い帯が太くまっすぐ。ヒゲナガモモブトは「W」のようになります。


夜回り?

温泉に入ってから、この倒木で夜回りしようと思ってたら暗くて見つけられず。間抜け。そのまま漆黒の闇に包まれ車中泊。ほんとの真っ暗だと、人間良く眠れますね。2-3日目に続く。

北富士ピドニア探索

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あまり面白いピドニアいなかった、という報告です。
標高2000以上に行くと妙なピドニアがいる、ということがよくあり、自分でも経験して来ました。北アの色の薄いムネアカヨコモン、南アの赤っぽいオヤマメス、御嶽山の微妙なヤノ系など。あとどこかないかなと探し、八ヶ岳はかなり調べられているので北富士に行ってみました。7/10からスバルラインもスカイラインもマイカー規制なので駆け込み。
ただ、他の山と違い富士山は種分化の時間スケールで見ると非常に若い山(なだらかな山容もそのため。100万年もすれば富士山も峻険な山になるはず)。氷河期の生き残りが2000m帯にいるという状況ではなく、普通ならいるはずのニセフタオビがいないとか、ムネアカクロハナが2200mにいたりとか、ちょっと違います。しかしフジヒメハナ、フジドイなど妙な名物もいくつかいるのが不思議な所。以前8月上旬に富士五合目に行った時は、シャクナゲが終わっていましたが、オンタデにわんさとカミキリがいて、キイロトラが全部白タイプだったりとか、ちょっと面白かったのでシャクナゲが咲いてるだろうこの時期に来てみました。
結果からいうと、つまらんかった。普通のしかいない。変な個体変異もなし。
ホソガタ、ヨコモン系、オヤマ、ナガバ、フタオビが多い。たまにブービエorカクムネ。フジもこっちで記録あるが発見できず。

オンタデ、シャクナゲは奥庭で咲かけ、五合目ではまだ。五合目はナナカマドが多く一本だけ咲き残り。しかし掬わないと見えないし奥庭以上は特別保護地区で掬えないのでダメ。シャクナゲやオンタデは生態写真が狙える。

四号目でショウマが多かったので掬ってみる。三号目はシナノキが満開。


オンタデ

富士山

ヒメハナカミキリsp

ナガバヒメハナカミキリ

オヤマヒメハナカミキリ

ヒメハナカミキリsp

ホソガタヒメハナカミキリ

キベリクロヒメハナカミキリ

カラフトヒゲナガカミキリ

下のほうで葉が緑の松倒木をビーティング。ヒメシラオビは落ちず。

四国紀州ピドニア一気

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四国と紀州の、ちょっといいピド見てみたい!それ一気一気一気一気!

Day 0

大阪での仕事を夕方に終えその足で淡路へ。以前セダカで秋に敗退した山で夏の夜回りリベンジ。イワワキ、ツルギ、ソボで成功したこの方法ならば!と意気込むもやはりブナ林と違い大きな木がない上に倒木も少ない。極太でキノコ生えまくったブナ倒木なんていう物件あれば、そらあセダカいますわな。しかしそんな木を標高300m程度の山で見つけることは不可能。低山セダカこれで6連敗0勝。
夜のうちに徳島の山の中へ移動。四国の山道は狭く対向車が来たら100mくらいバックしないといけないので夜がいい。目的地入口で車中泊

Day 1

予報によれば徳島の南半分が雨。現在地はギリギリか。まあピドニアだから雨でもなんとかなるだろうと。ピド屋には知られた林道を進みます。事前情報によればここにはシコク、マホロバ、ヤマト、アワ、イヨ、チュウジョウ、トサがいる。イシヅチ以外の四国の全部という感じだ。

林道


時おり強く降ったり弱まったり。ピドが飛ぶにはちと厳しい。朝に居残り掬ったらそれで終わりだ。天気が良ければ沢沿いの道なんかを歩いてシコクヒメコブハナ、サワグルミやシナでチチブニセリンゴ亜種、ブナでミヤマケシなんかも探したかったんだが。
林道はガレててパンクが恐い。途中で30cm大の崩落した石が散乱した場所に遭遇。直撃に注意しながら手でどける。石器のような破片も多い。しばらく進むと今度は50cmと70cmの落石。70cmの方はびくともしない。50cmのをどけてギリギリ通れるようになった。そしてしばらく行くとまた落石。前回人が来てどけてから、2日から5日というところだろう。その期間にこれだけの落石があるというのは、かなりの確率だ。変な所に駐車してたら直撃食らうかもしれんし、帰路を塞がれるかもしれん。
とりあえず3つ目の落石までの間でなんでもかんでも花を掬いまくる。サワフタギや、あまり目立たないアオダモっぽい花とかが優秀だった。

ヤマトヒメハナカミキリ★

あーホソガタね、はいはい、とろくな撮影しないうちにお亡くなりになった。ホソガタは甲信エリアにしかいないんだよ!ヤマトはいわゆる置換種というやつか。

チュウジョウヒメハナカミキリ★

これもたくさん入ったイヨのオスと間違えて撮影しなかったもの。雨に塗れてS紋とかがあるように見えたのでしょう。メスもおそらく掬ってるけどニセフタオビと間違えてリリースしてるな。オヤマの置換種らしい。

イヨヒメハナカミキリ★

ヨコモンは甲信と紀州にしかいないので、ニセヨコモンを除外すればイヨということになる。前胸の形状からニセヨコモン除外したつもり。白い部分がヨコモンより白い?Lm紋が大きく丸い?点刻がより粗い?うーーーん、どうなんだろう。そうかも。


別個体

イヨヒメハナカミキリ


イヨヒメハナカミキリ

オス。すべての個体が腹節は黒だったのでニセヨコモンではないはず。

ヒメハナカミキリsp

徳島の高標高にはアワがいて、ブナ帯上部ではフタオビと混棲しているということ。両者の違いはネット上にある情報だけではなんとも判断しがたい。現在原記載論文の Elytra New Seriesを注文し取り寄せているところ。
甲虫学会の出版物は何年か経つとネットで無料公開されるが、アワ&サキモリの記載は2015年なんでまだ有料。
7/23追記: アワの場合、オスは触角が余裕で上翅端を超える。メスはすこし届かないくらい。この個体は明らかにフタオビ。なおネット上にある、触角が太短いという情報は同時に記載されたサキモリの特徴であり誤り。

パンク

三時間ほど待っても晴れないので移動。下りで油断してスピード出してしまい、パンク。舗装まであと1-2キロだった。違和感を感じつつしばらく走ったので途中でホイールキャップが外れどこかへ行ってしまった。とりあえず保険でロードサービス呼んで無料で臨時タイヤに交換してもらえるようだったが圏外。強い雨の中、マニュアルを読んで初めてタイヤ交換をした。さすがに1-2kmとはいえスペアでまた後戻りしてホイールキャップを探す気にはなれない。と思ったらオフロードバイクの兄ちゃん集団に遭遇。キャップ見つけたら2000円、見付からなくても1000円でどうですか?と持ちかけたら乗ってもらえた。そしてめでたく発見。2000円でお礼した。
徳島市までトロトロ40km運転しオートバックスで本タイヤに交換、8000円。幸いこれは保険で建て替え払いになるとのことだった。時間は3時。明日は紀州を攻めたいのでとりあえず淡路島で気になっている場所を攻めることにした。

照葉樹林

ストリートビューで見て、南方系の虫がいる神奈川のとある場所にそっくりだと思ったが、実際そうで自然度の高い照葉樹林だ。

絶景


枯れ蔓

こういう枯れ蔓があちこちにある。叩くとだいたい何かしらカミキリが落ちて楽しい。シロスジドウボソが第一希望だったが、どうもジャケツイバラというのが生えてなかったようだ。本州部では葛や藤でも取れてるんだけど。

シラオビゴマフケシカミキリ

アトモンマルケシカミキリ

ガリシロオビサビカミキリ

コブスジサビカミキリ

ヤハズカミキリ


ヒメアヤモンチビカミキリ★

いえーい、さすが南方雰囲気。四国九州では普通種だけど東にはいないんで自己初。


ヒメヒゲナガカミキリ

カラスザンショウ材で夜に発見。白い帯が太く連結している。四国亜種の特徴だ。図鑑によれば、中間的な形質も表れるため異論はあるだろうが便宜上四国などを亜種とする、と書かれている。こういうのは難しい。四国亜種っぽい形質が四国以外でも表れることがあるが、四国では安定して表れるということだ。半亜種とでも呼ぼうか。クロナガタマムシなんかも、対馬のを亜種とする学者もいる。たしかに関東では前胸が赤いのと青いのが両方いるが、対馬では赤いのしか見なかった。

ノグルミ

新鮮なノグルミの伐採材を発見。ネットで調べると、淡路産のタカサゴシロがオークションに出ていた。ノグルミの葉をよく調べたが発見できず。夜に材を見にきたがやはり発見できず。まあ奄美とかで探すかね。

移動

夜のうちに大移動。紀州のビジホに宿泊。

Day 2

目的地候補は二か所。二種のピドニアにその名を冠する山系、および西の方にあるブナ林。雨雲レーダーでは東の方から雨が来ている感じだったので西を選択。ルートインで朝食を食べてから出撃。ドピーカンで、ちと出遅れたかな、と思うも目的地に近づくと霧そして雨。念のため雨雲レーダーを確認。県境なので場所を見間違えることはない。雨雲は写っていない。ステルスかよ。知人チームが二週間前にこの地でオオクボ、トゲムネホソヒゲなどいい虫を採集しているので期待していたが、早々に諦めピド一本となった。
あまり多くない道の脇の花で探す。

ヒメハナカミキリsp

イヨよりはLm紋が小さいかも。ヨコモン?ピクセルで測るとLm紋の長さはエリトラの長さの25%だった。イヨだと28%くらい。

トサヒメハナカミキリ★

四国で見つけられなかったのをここで挽回。関東圏でのセスジ系の同定が楽になった。

フタオビヒメハナカミキリ

暫定アワとの比較用。うーん、同じだ。

イヨヒメハナカミキリ

Lm紋が大きい。

終了

天気は好転せず。ブナ倒木などチェックするもセダカ発見できず。まあここはイワワキなんであまり熱意が入らないが。15:00ぐらいに撤退し三時間運転し新大阪に車返して終了。大阪は土砂降りだった。

丹沢のキイロメダカカミキリ

Canon EOS Kiss X5+TAMRON SP 90mm VC USD

  • ストロボ:絞り優先モードF11〜F13、露光1/200固定、ストロボ+2、ケンコー影とり、ISO-AUTO
  • 自然光:マニュアルモードでF8〜F16、露光1/125〜1/1000、ISO-AUTO

クリックで拡大。★は初見。

材チェック

5月に北丹沢で拾ってきたダンコウバイの枯れ枝。採集したときの記録:http://d.hatena.ne.jp/ita/20180506/p1
ちょっと粉が出たので期待してたけどその後音沙汰なし。スカかな〜と思っていた所。今日もパッと見なにも出てない。ケースを置いて別のことをして、ふと見るとケース内側側面に小さなゴミが、と思ったら次の瞬間ゴミが側面から落ちていた。ちょっとまて!ゴミはそうそう動かない!

キイロメダカカミキリ★

キター!いちおう記録のある場所で拾った材、とはいえ神奈川での本種の記録は数例というところだったと思う。その記録の詳しい状況はわからないが、茨城での例を参考にダンコウバイを拾ってきたというわけ。ものすごい小さい羽脱孔とかも開いていて、糞も新しめのが詰まっていた。いやしかし、こんなに小さかったのか。タカオメダカ、サドチビアメイロなんかと同じくらいだ。一応これでも最大倍率での撮影です。
茨城の某林道は有名になってダンコウバイ材はあらかた採集されてるらしいですが、丹沢エリアはわりと広くダンコウバイが見られるので、狙い目かも。あとは、ブナ帯まで登るとアセビが多いですが、これもホストに含まれているので、誰か試して見ませんか?



あ〜〜〜しかし、ようやくカミキリビンゴ2018が一つ穴あきました。今年自己初カミキリ13種目ですが、ようやくですわ。

ラギウム幼虫

おまけ。飼育中のラギウム幼虫。トウヒ樹皮下で木の繊維が片側に詰められた隙間にいた。全周を繊維で囲んで蛹室完成だと思うので、もう食べずに蛹化するだけの可能性に賭けて変なものは食わせない。砂糖水だけちょっとなめさせてみてる。