Canon EOS Kiss X5+TAMRON SP 90mm VC USD
- ストロボ:絞り優先モードF11〜F13、露光1/200固定、ストロボ+2、ケンコー影とり、ISO-AUTO
- 自然光:マニュアルモードでF8〜F16、露光1/125〜1/1000、ISO-AUTO
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梅雨時、どこに行くかは迷います。この週末は梅雨前線が本州南岸に停滞。関東、長野、福島、東北、北海道の順に天気は良くなりますが、お金もかかります。
今回は色々と狙える長野方面にしました。金曜夜から土曜朝までは天気が持つので、ヨツボシを狙うため金曜夜に出発。長野に電車+レンタカーでは店が開いてないので八王子で借りて長距離ドライブ。車二日1.2万、高速0.8万、ガス0.8万。
Day 0 (6/22)
ヨツボシ灯火は空振り。次のターゲットはとあるサペル。近縁のセミスジを灯火で採集した経験から、記録のある場所で灯火巡りする算段。ストリートビューで街灯もチェック済み。しかし!すべてLEDであった!まだだ、まだ終わらんぞ!
Day 1 (6/23)
暗い山中まで行き車中泊。夜明けと共に目覚め産地周辺で樹種のチェック。ハルニレがあれば、と思ったけど、意外と全くない。菩薩とかあれだけそこらじゅうにあるのに。唯一、シナノキを発見。サペルを朝露でネットが濡れるような時間に狙って掬い、過去にヤツボシやらアマミモンキやらゲットしているので、この縁起のいい方法で狙います。しかし若干気温が低いためか、なにも入らず。うむー。そのうち雨が降ってきます。ハルニレを掬いたいのであちこち雨の中ハルニレを求めてロケハン。しかし見つからず。なんか赤松が多い。ちょっと菩薩あたりとは植生の感じが違う。
移動
とりあえずあきらめて更に移動、御嶽方面の亜高山帯で明日に向けてロケハン。
夕方になって雨はやみました。ちょうどナナカマドが咲いている。こんな時はピドニア狙いしかない。
ヒメハナカミキリsp
その場では同定できず。あとで写真を見返して、前胸が角ばって赤黒赤、といえばシンシュウか!と思い当たりました。
しかしホテルで撮影してみると雨で濡れて黒くなっていたのが赤くなり、ちょっと違うかも。
裏面も、腹節の1,2節が黒くない。これはシンシュウではない。では何かというと、不明。胸が赤いので、おそらくブービエカクムネツマグロ系。
ここでタブレット端末に入れてあったシンシュウの記載論文、Elytra 29(1)をチェック。パラタイプ産地に今いる場所がばっちり含まれています。ちなみに帰宅してからプロット図を作ってみました。複数の山系に跨る、謎の分布です。
論文にあるシンシュウの特徴をまとめると、
- 触覚:3節以降は先端が黒ずむ。5>3=1+2=6>4
- オス
- 中後腿節先端かすかに暗い茶色
- S紋明確、B紋かろうじてある。Lb,Lm紋小さい A紋幅広い
- 1,2腹節が黒、3-5は黄褐色
- メス
- 中腿節先端黒ずむ、後腿節先端黒
- S紋明確、後方1/8で三角にひろがる。B紋明確、Lb紋細く小さい。Lm紋非常に小さい。A紋幅広い
- 腹節1-3側方が黒ずむ
あーそういうことね完全に理解した
下見
原生林の道を少し歩いてみる。いい感じのコメツガ倒木を発見!明日は晴れの予報。よっしゃ!勝った!シナノエゾ!
ヒメハナカミキリsp
前日見つけたナナカマドを早速掬います。お!これだなシンシュウ!メスの特徴に一致。なんとか自己初1を達成。
6/28 追記:シンシュウとしていたのを同定差戻し。東海大図鑑p.235の検索表ではLp紋が後方に発達するのはフトエリマキとしてある。前胸もあまり角ばっていない。
ミヤマドウボソカミキリ
散策路で、前日に気が付かなかったコマガタケスグリを発見。おおーこれはあれがいるか!とルッキングすると難なく発見。フラッシュでテカリが出てミヤマの白い線が目立たなくなるんで、自然光でも撮ってみました。
倒木
朝に捕獲したいろいろを車内でやらせ生態撮影して木が乾くのを待ちます。そしていざ出陣。
しばらく日の当たる倒木で張り込みますが、見事になにも来ない。うーん、若干古いんだろうか。ちなみに樹皮を剥いて採幼しようとした形跡がある。しかし食跡の先にはことごとく材部への侵入穴が。ラギウムでないことは明らかなのでみんな途中でやめたんでしょう。この木と心中する気はないので移動。
下山
もうちょっと、もうちょっと、と先に進み標高差400mほど登るも、あまり高いとシナノエゾはいないのであきらめて引き返します。途中、古めのトウヒ倒木で、こんな古いならちょっと樹皮剥いても罰は当たらないなと剥いてみたら、足のあるカナブン幼虫のようなのが!げげ!しかし蛹室のようなのにいたのでもしやと思い持ち帰りました。どうもラギウム幼虫だったようです。ティッシュの蛹室で飼育中。
ヒメハナカミキリsp
これが分からないんですけど。S紋が途中で消えてます。後脚もあまり黒くない。そして前胸の角ばりが大げさすぎる。カクムネ系に近い。あとはほぼほぼシンシュウなんですが。そういえば2年前の御嶽で同じようなのを撮影し、腹も1,2が黒でした。あの時は同定できなかった。
追記:東海大の図鑑によれば、フトエリマキ、シンシュウ、ウスイロは遺伝的に同一で高標高ではまぎらわしい個体が出てくるとある。遺伝的に同一というのでさらに交配できるという意味であれば、紛らわしい個体は現状の分類ではどうしょうもない。混棲してれば個体差ということになる。
移動
時刻は16:00.もう限界です。帰ります。
ハンノアオカミキリ
帰り道、某サペルの地点に到着。夕方シナノキに飛来するサペルを目視で狙う作戦。南会津や菩薩では景気のいい木にあたると夕暮れ時にブンブン飛んできます。
今回はボチボチと飛来。40分ほど粘りハンノアオ2とシナ1。黄昏時、青くきらめきながら飛ぶハンノアオは遠くからでも分かり、とても綺麗です。普通種と侮るなかれ。
ここで本当に時間切れ。一路東京を目指します。
総括
500kmくらいは運転したでしょうか(追記 750kmだつた)。疲れた。ラギウムがうまく育ってくれたらいいな。