セシウム134

MAIN POINT: 環境で検出されるセシウム134と137のベクレル比が1.5程度なら使用済み燃料から出たもの、1.0程度なら炉内の燃料から出たもの


ウラン235が分裂すると、放射性のセシウム137は確率6.34%で生成、安定なセシウム133が確率6.78%で生成。
原子炉に長時間置いてくとセシウム133の一部は中性子がぶつかってセシウム134に変化。セシウム137と134はそれぞれ半減期30年と2年で崩壊。
というわけで環境に出たセシウム137と134はほぼ同じ広がり方をするはずだから、その比率は汚染源の比率と同じなので汚染源を推定できるようだ。
極端な話、核実験では133が134に変化する暇がないので134は出ない。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jnst/41/4/448/_pdf
この論文のFig.7はどのくらい燃料を運用するとどのくらい134が増えるかを、134と137のベクレル(単位時間当たりの崩壊回数)比で示している。
ニュースで出てくるセシウムの濃度もベクレルなんで、単純に割り算してこの図と比べればだいたいの燃焼度を推定できる。
今回海から出てきた(21日午後セシウムの比率は134/137=1.5程度なんでたぶん使用済み燃料から出てると推定できる。(使用後100日ほど経っているんで134は元の88%程度に減少している。137は元の99%程度)
訂正:海水中の基準値は134と137で違った。海水中でもベクレル比は1.0程度だった。あと精度は2桁なんだね。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110326a.pdf

ヨウ素131は一回の分裂で約2.9%生成。半減期8.0日。100日経過で燃料中の原子数は137Csの0.000079倍に。半減期が約1/1400なんでベクレルの比は0.1倍。海で出たデータはヨウ素131がベクレルで137Csの10倍くらい。ヨウ素は気体で100倍拡散しやすいと仮定すれば矛盾はなさそう。(あるいは炉の方から出てきたものか。)


追記:こちらの野菜の値はどれも134/137=1.0程度。有意に違う。でも新しい燃料から出たとしたらもっとヨウ素が多くなるはずだが。セシウムのデータどの程度信頼できるのか。(あるいはヨウ素は洗ってしまって薄くなったか)
http://www.ryutsuu.biz/commodity/d032230.html

関連用語

ちなみに自分はこれの6番(リム組織)の数値計算とかしてたことあるけどホントの専門家じゃないです
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=06-01-01-01