- 作者: 丸山宗利
- 出版社/メーカー: 東海大学出版会
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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自分も去年は甲虫を撮りまくって人並み以上には甲虫を見る目を持っているつもりだったけど、全く目が節穴だったと思い知らされました。
この本で紹介されているのはクワガタを除くとどれも非常に地味な甲虫ばかり。しかし子育てするとか、アリの巣で暮らすとか、サルノコシカケに穴をほって暮らすとか、その生態はおどろくべきものが揃っています。それら独特の生態を持つに至った進化の過程を考察する研究が多く紹介されています。
7章より引用
当時中学生だったわたしは大石氏のご自宅に遊びに行き、文献や標本を見せてもらった。アリヅカムシの小ささにびっくりよりも、こんなケチな昆虫を研究した電話帳より分厚い研究書があることにまず驚いた。そして、こんなケチな昆虫を研究するために、高価な顕微鏡(ビノキュラ)が使われていることも驚きだった。そこで見せてもらったフサヒゲアリヅカムシの奇妙な形が、わたしのアリヅカムシに対するイメージを決定付けたかもしれない。しかしその当時は、こんなケチな虫を一生の研究テーマにしようとは毛ほども考えていなかった。
この他にも川に住むヒメドロムシでその地域では絶滅したと思われていた超レア虫をゲットした場面の話とか、アリとハネカクシの死闘を蚊の猛攻も忘れて観察するとか、虫好きの人なら共感する話が満載。
アリヅカムシ、モンシデムシ、蟻の巣に生息するハネカクシ、ツツキノコムシ、などこれらの生息場所の雑木林には何度となく行ってるはずだけど、ハムシ、カミキリ、クワガタなど見た目の面白いやつしか目に入っていなかったなぁ。