ベスター&ゼラズニイ"Psychoshop" ISBN:0679767827 【アマゾン】読み終わる。

現代のローマで妙な幻覚や超能力を取引する『サイコショップ』にいろんな時代のいろんな人がやって来る。主人公は雑誌記者で取材に来たけど、成り行きで店の手伝いをやることに。店主は超未来からきた猫から進化した Adam Maserさん。助手は同じく超未来の蛇女 Glory さん。途中3/4くらいまではいろんな客のエピソードがオムニバス風に続く。タイポグラフィもあり。特に効果的でもないかもしれないけどベスターだから許される。客のなかでは宇宙生物がモトネタ知ってるとオオウケ。
てな感じであまりドライヴされずにチンタラ読んでたけど6章の終りで"For how long I ..., I do not remember." というゼラズニイのファンがにやりとするような文を皮切りにゼラズニイモード全開!主人公はなぜか身に覚えのない北斗神拳なみの殺人拳が身についてる。映画『マトリクス』を思わせるアクションシーンとともに次第に主人公の本性が明らかになっていく!ブラックホールの近くで戦ってるので廻りは超サイケ。サイコショップはブラックホールを使って時空を移動したり質草を保管してるけど、そこに隠された重大な秘密も明かされる!なんか「ホーキング輻射」とかガジェットとして説明に使われてるけどベスター死んだの87年だから書いたのはゼラズニイかな?いや、物理屋のくせにホーキング輻射とか良く知らないもので。。。あとStrominger の理論とかいうのも出てくる。宇宙論の人らしい。知らなかった。くぅーゼラズニイに物理で負けるとは思わなかったぜ!空間の方程式のパラメータによって宇宙がクシャクシャになったり平らになったりするという話らしい。聞いたことはあるんだけども。

で結局自分はゼラズニイならなんでもいいみたいな所あるから面白かった。ベスターファンはどう思うか分からない。『コンピュータコネクション』 ISBN:0671039016 【アマゾン】とかかぶる部分もあるかも。でも「ファン」てのは作品でなく作者を評価する人だけどベスターの場合作品が文句なしの傑作だから「ベスターファン」ってのはいないかも。