ハーラン・エリスン世界の中心で愛を叫んだけもの』、浅倉久志/伊藤典夫訳 ISBN:4150103305 【アマゾン】, 早川文庫SF

小説の書かれた1968年ごろの世界の雰囲気と、怒りっぽいエリスンの性格がブレンドして熱い感じ。あとシュールな作品だとわけのわからん造語がいっぱい出て来るんでこれから読む予定の『Angry Candy』読むのが大変そう。感想はネタバレあるかもしれないので透明テキストで。
世界の中心で愛を叫んだけもの
宇宙のスケールで見たら人間の道徳とか命とかゴミクズみたいなもんなんだね。人間が毒を垂れ流して魚とか死ぬみたいに、神みたいなやつの排水で人間が死ぬと。
でもニヒリズムがもっと徹底すれば「善」とか「悪」なんて概念もゴミクソみたいなもんだ、ってことになるんだろうけど、この小説では宇宙的普遍的な善と悪の定義が存在して、いつの日か宇宙から悪が排除される、という希望を残して終る。
101号線の決闘
きっと追い越しされてブチキレたんだな作者。
不死鳥
ピトルポーウォブ課
一日で書いただけあって一発ネタ。
サンタ・クロース対スパイダー
痛快な感じ。実際世の中こんなに単純なら世話ないぜ。60年代な感じ。
鈍いナイフで
主人公は作家のメタファーだろうか。
名前のない土地
『アインシュタイン交点』みたいな感じ。もうひとりの「あの人」も出て来るし。
星ぼしへの脱出
ドラクエ1のラスト!!
聞いていますか?
歌を知らんからイマイチ。勝手に"hatten" を思い浮かべる。ÅHÅÅÅhÅhÅhÅÅÅ〜
満員御礼
最後に宇宙人が売上の半分よこせ、と言ってくるってオチかと思った。
殺戮すべき多くの世界
ゼラズニイのような雰囲気かも。ダークヒーロー。
ガラスの小鬼が砕けるように
よく分からん、ていうかラリっちゃいました、終り、てだけの話じゃないの?
トールキンの指輪物語への言及があるけど、60年代後半って「ガンダルフを大統領に!」てスローガンが出来るほど指輪物語がブームになってたわけで、当時のヒッピー文化の一つとして出てきてるんでしょう。あるいは指輪の世界は圧倒的リアリティをもった空想の世界、ということでこの作品の内容を暗示してると言えなくもない。
少年と犬
うっひょー!!そう来るか。女子高生コンクリ事件とか思い出す。あれは食べてないけど。でもこっちは必要に迫られた合理的な判断なんだよなぁ。うっひょー!!