トビラチャレンジ2023

使用機材:https://ita.hatenadiary.jp/entry/20180816/p2
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だいたいのカミキリの生態が解明され、珍品の座を追い落とされてきた中で、未だに人類の叡智が及ばぬ謎のカミキリがおります。関東近辺だと、フトキクスイモドキ、トゲムネアラゲ、シナノサビがド珍品&糞地味な三種の神器です。どれも、日本全体で、一年間で採集する人はせいぜいが3人、てなレベルでしょう。なんせ狙って採れないから偶然頼み。
フトキクスイはハルニレをひたすら掬って、ハビロキンヘリが5採れたら1採れる、という相場らしいですね。金のエンゼルかよ。
トゲムネアラゲはサワグルミがホストだと分かっているけど、発生木の条件が厳しいようで、ここ数年採れた話を聞きません。
シナノサビは学名トビレンシス。長野の扉温泉で初めて見つかり1968何に記載されました。昔はそこの旅館のご主人の早川さんが虫屋さんで、ここに泊まって虫探しする人が多かったらしいです。今のすずらんみたいなもんですね。早川さんはシンシュウヒメハナとかシナノエゾハイイロハナなど長野に所縁のあるカミキリで献名されています。
シナノサビは最近出た図鑑でモミ材に多数来ていたという事例が書かれてたので、過去その事例があった場所にほど近い場所で2年前に見つけたモミ倒木をチェックしに行きました。今年で三回目です。幸いシナノサビはだらだらと発生し8月一杯から9月まで記録があります。
もう甲虫の産卵に使われることは無いだろうと思い、まずシューして隠れてる虫を追い出してから、樹皮を剥いてみて幼虫がいた痕跡を探しました。しかしそれらしき痕跡は見つからず。
待っているとカミキリが一匹だけ出てきました。

オオクロカミキリ オス

オスは初めてだったのでうれしい。真っ黒なメスとはかなり印象が違います。胸が窪んでいるからサビではない、また翅の先端が尖ってないのでツシマムナクボではない、ということで同定可能。


不明種?

実はこの近くでオオクロカミキリに似ているけど違う、北米産の同属のカミキリとの中間的な謎のカミキリが月刊むしにて報告されています。触角の長さなんかが違うのですが、この個体は明らかにオオクロでした。
不明種は、もしかしたら移入した北米産とオオクロのF1雑種だったりしないのかな?

午後

午後からは大雨の予報だったのでほうとう屋さんでゆっくり食べて帰りました。
道路が冠水しかけるほどの大雨だった。