関東のトゲヒゲトビイロカミキリ

使用機材:https://ita.hatenadiary.jp/entry/20180816/p2
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関東甲信にいるカミキリで撮影したことがない種類、だいぶ減ってきました。列挙すると、
シナノサビ、エゾラギ、パキタ、オトメ(2亜種)、スミイロ、ムナミゾ、ヒメヨツ、タケウチホソ、ニセハコネホソ、ギガン、サハリン、オダイ、ヨツボシ、タイワンメダカ、ムネアカメダカ、クスベニ、クロヒラタ、オオトラ、フトキクスイ、ヤツボシシロ、トゲムネアラゲ、カスガキモン、トゲヒゲトビイロ、ジュウモンジニセリンゴ、タイリクフタホシサビ
ピドニアを除くと以上となります。縁がない普通種と、難関種の詰め合わせです。
シーズン前から材採集で狙えるのはタイワンメダカ、ムネアカメダカ、カスガキモン、トゲヒゲトビイロあたり。今シーズンは3月からトゲヒゲトビイロを狙って何回か出撃。本来南方系のカミキリで、房総と三浦に局地的に生息していますが、近年分布範囲が広がっている可能性が指摘されています。関東一円に元から分布するトビイロは胴体が細く足が黒っぽいですが、トゲヒゲは太くて足が翅と同じ色なので触角のトゲを見なくても容易に判別できます。
まずは三浦半島の某山。何度も来ている場所ですが、今まで意識しなかったヤブニッケイという木がたくさんあることに気が付きました。クスノキ科は冬でも葉が落ちず、小枝を折るとシナモンの匂いがするので簡単にわかります。そして太めのヤブニッケイ落ち枝が結構あったのですが、それらがすべて樹皮下を鬼のように食われて太い糞が何列にも平行して走っていました。しかしどれも糞が古く、出がらしのようでした。収穫なし。でもこれで、いるところには相当な密度でいることが分かりました。
次に3月末に館山に旅行した際、海岸沿いのタブ林で材を探してみました。タブとヤブニッケイが優占する林で、やはり落ち枝にはどれもおびただしい食痕があります。運よく枯れ葉が残る新しめの伐採枝を発見。

タブノキ

樹皮下はこのようにびっしり糞がつまっています。どうやってこう、平行に食べ進むのか。不思議です。

トゲヒゲトビイロカミキリ

細い枝を折った時に出てきた前蛹が遠征から帰ってきたら蛹になっていたのが右。
材から割り出した前蛹が左です。残念ながら左は蛹化に失敗し死んでしまいました。
右の蛹は無事に羽化しましたが、入れていた容器が狭く、若干羽化不全になってしまい残念。

テツイロヒメカミキリ

材からはその後テツイロヒメが。

トゲヒゲトビイロカミキリ★

もう出ないだろうと材を放置していましたが、見てみたら3つも出てきていました。
撮影のため掴むと、ミカンの皮のような刺激臭がしました。
九州南部~屋久島エリアでは普通種で、ルフェ、ズーデスなどを材で狙う時にトゲヒゲ材を除外することが重要らしいので、今回は勉強になりました。