オーラスの高地

Canon EOS Kiss X5+TAMRON SP 90mm VC USD

  • ストロボ:絞り優先モードF11〜F13、露光1/200固定、ストロボ+2、ケンコー影とり、ISO-AUTO
  • 自然光:マニュアルモードでF8〜F16、露光1/125〜1/1000、ISO-AUTO

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背景

6月に訪れた場所を家人と再訪。今回はちゃんと宿に泊まります。この時期、宿、車、電車を押さえるのに苦労しました。
今回もメインは針葉樹原生林。ターゲットは渋珍のホソハナ&サビおよびゼブラことキジマトラ。

コメツガ

まずはツガの大木をチェック。以前カミキリ屋の飲み会で教えてもらった木ですが、その時は「そんな遠くまで遠征に行かないよな〜」と聞き流していた木です。最近遠征の距離感がインフレ気味で、このあたりも近所になってしまったので気になり、いろいろ自力で調べて場所を特定。なんかトラっぽい動きを見つけて撮影したのがこの写真。何も写っていないようですが、よく探したらなんかいるかも。
天気はたまに晴れ間が差す程度でトラにはイマイチなので目的地まで移動。

トウヒ倒木

原生林を散策します。いやー最高の雰囲気。ネームプレートも整備され木の種類が勉強になります。これはトウヒと思われる倒木。それほど古くないので夜に期待。他にツガの倒木もあり。6月にラギウムを期待した木で、天気が良ければトラ期待ですが、こちらもそれほど晴れず。

宿にチェックイン。さっそく内湯へ。とても趣があります。源泉は御神体らしきものからドバドバと出ております。あれチ**だよね、うはーち**ち**!とはしゃいでたら、うるさいと家人に怒られました。
夕食はイノシシ鍋。おいしい。夜回りのため酒は少しで我慢。
暗くなってから夕方に見つけた倒木をチェック。しかし何もいない。気温は非常に涼しい。この気温で出てきてくれるのか?図鑑のハナカミキリより前に載っている針葉樹食いは寒さに強い奴が多いと思ってるんだけど。
樹皮を触ると若干湿っている。そのせいか。分からない。シラフヒゲナガの一匹もいない。
秋に出るカミキリは高標高ほど早いものがいる(オオトラ、ブドウトラ)。次はもっと早く来てみようか。

ノリウツギ

翌日は晴れたり曇ったり。宿の敷地に咲き残ったノリウツギがあり朝から賑わっていた。
ブチ、24マル、ニンフ、カラカネ、ツヤケシなど。渋珍ホソハナはこなかった。

移動

ゴンドラで2000mまで上がりランチ。周辺は虫的にはイマイチだった。

ツガ

午後二時の時点で既に三時間ほど晴れ間が続いている。トラを狙うにはベストコンディション。また張り込みます。40分ほどして、怪しい動きを3mほどの高さに確認。撮影すると、おおー来た!
しかし画面を確認し竿を置いてまた見上げると、いない!逃げられたか。ウルトラショック!
その後ルッキングを継続。20分位して遠雷が聞こえ始め、曇って気温が下がってくる。ああああああ。証拠写真で終わりか。と思ったその時、またトラの動きを地上3mほどで確認。今回は手堅くネットで確保。フレームの縁でしつこくつつくと、無事ネットイン。はぁードキドキした。

キジマトラカミキリ

前胸に羽脱した時に付いたと思われるヤニが付着しています。20分前の写真と同じ個体。
まあ、いうてニイジマの線が一本少ない奴、ですがね。針葉樹原生林に固有のカミキリですから「格」ちゅーもんがあるわけですわ。おそらくニイジマは氷河期の終わりにキジマからノレン分けして、温帯の広葉樹食いという、大衆にもっと受ける路線に変更して大繁盛したんじゃなかろうかと。キジマは伝統の味を守り続ける頑固な本家という感じでしょうか。なんか勝手なこと言ってますが。


総括

ホソハナには若干遅かったかな。Pの季節にまたこよう。サビもその頃にいるかもしれない。
これで関東のトラはあと一種、モミの王様だけとなった。

ラギウム幼虫

おまけ。観察日記。このエリアから持ち帰ったもの。砂糖水だけで40日飼育している。そろそろ蛹化してもいいんだけど、なにがトリガーなのか。栄養か、気温か。カロリーだけではだめかも。現地で地面に落ちたトウヒ樹皮を餌用にすこし持ち帰る。寄生予防に一旦冷凍。セルロースを分解して糖にしてるんなら砂糖でいいはずだけど、木の腐朽菌の働きでタンパク質ができている可能性もある。
害虫研究用のインセクタという栄養を配合した人口飼料があるけど、10kgからの販売なので手が出ない。針葉樹食いはスギノアカネが実績あるらしい。
因みにこの時期砂糖水などはカビやすいので摂食した後よく水洗いする。普段は別の場所で。