ヤマトの紙工作

このページを見て鼻血出そうになった。
http://butchy.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_acee.html
ヤマト2がやってた小学生の頃は紙工作に燃えてて、TV見ながら必死でメカを写生して後で作ろうとしてた。結局スキルが足りないせいでバルゼー艦隊旗艦メダルーザの船体部分の一部だけ作ってあきらめた。
しかしいまならコンピュータの力と数学知識さらに構造力学の知識でいろいろ作れるのではないかという気がしてきた。白色彗星帝国のデザインの特徴として、曲線が多いてのがあると思う。紙ではガウス曲率が0であれば曲面でも表現できる。円筒とか円錐とか。これを組み合わせてガウス曲率が0でない形状もある程度作れないか、と思って papercraft curvature で検索したら論文を発見。
http://www.cs.technion.ac.il/~gotsman/AmendedPubl/Fady/PG07.pdf
基本的に三角形表面パッチで表されたCADデータを円柱・円錐で近似してるようだ。

まず自分でも作ってみようと思い、カブトガニ型の白色彗星帝国攻撃機デスバテーターを設計してみた。

試作一号機


形は適当。曲面を三角形パッチで印刷して、折らずに無理やり曲げれば紙の弾性で勝手にもとの曲面に近づくことを確認した。曲率が0の方向がかならず1つ必要なので、それを考えて設計する必要がある。

しかし、他人の3D化したのを見ると、人によってかなり解釈が違ってプロポーションも違う。
http://b.hatena.ne.jp/ita/デスバテーター
元のTVの作画もアングルによってだいぶ違う。

このへんは、自分の解釈で「らしさ」を出すことになるんだろうな。ガレキやフィギュアの原型師の苦労をかいま見た。
厚みがないように見えるのは質感のせいかな。紙だとツヤがないので、視覚的に曲率を認識する時の手がかりとなるグラデーションやハイライトが少なくなる。印刷であらかじめ陰影をつけるとか、クリアラッカーを塗るとか光沢紙を使うとかすればいいのかな。
一号機で判明した問題がいくつかあった。一番は糊付けの難しさ。サイコロを作る場合を想像すれば分かるけど、最後の面を接着する場合にノリシロが内側にあるので押さえることができない。また曲面を使用する場合、紙の応力のため糊付けがズレたりする。これらを解決するため、内部に形状を固定する補助骨格を入れて、それに皮を張るように接着する設計を考えた。

試作二号機。


はじめは骨格を箱型に作っていたが、それではサイコロと同じ問題が生じてしまい本末転倒であった。そこで試行錯誤の結果、写真手前にあるような構造材を考案した。高さ方向の紙を90度で蛇行させ、|_| ̄|_|、その上下を細い紙で挟む。ノリシロは蛇行させる紙につけておく。これなら閉じた空間がないのでピンセットがあればきちんと力を入れて接着できる。上下方向に押しても強度があるので、これに表面の紙を押し付けて張ることが出来るし、形状を保つのにも役立つ。間に入れる紙をギザギザにすると写真右にあるような推進装置開口部となる。
上の設計では尻尾は中心の補助骨格をそのまま延長してある。

後はその他の色々ひっついている構造を設計して追加していく予定。

これ完成したら次はナスカかな。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-King/2477/
しっかし難しそうだな。

紙工作基礎工学

構造材についてさらに検討をした結果、糊を使わずに上の写真の右のものを作る方法を考案し、試作して確認した。糊で固定する場合はズレて誤差が生じる余地があり、糊なしできっちり固定できるなら適当に作ってもちゃんとした形になるという頑健性(ロバストネス)が向上する。要はケーキ屋の紙の箱。
また紙の細かい部分を折るときのコツも発見した。両端に切れ込みがある線を折る場合、その線に応力が集中して適当に折ってもきちんと折れる。これを利用して切る順番と折る順番を工夫すれば簡単にきちんと折ることができる。