グレッグ・イーガン『Schild's Ladder』 ISBN:0575073918 【アマゾン】

(作者のサイト)四次元回転=四次元球面×三次元回転、SO(4)=S(4)×SO(3) という定理の説明があった。数万年後の子供はそういうことを考えて遊ぶらしい。いやはや。
11/14追記: SO(n)=S(n)×SO(n-1)で一般のnについてもなりたちそうな説明だったけど、この記事によると nによっては成り立たないらしい。うーん、不思議だ。
しつこく追記:うーん、イコールてのは群が isomorphic (演算規則が同じ)だという意味だと思ってたけど、そもそも n次元球面S(n)て群じゃないじゃん。なんか「バンドル」とかいう言葉聞いたことあるな。群×群とはちがうのかも。三次元回転ならば必ず動かない軸がある(行列に固有値1が必ずある)から、その軸を不変にする回転の集合は部分群になり、全体をそういう部分群に分割できるけど、二次元回転だと単位元以外は明らかに不変な方向がないのでそういう分類はできない。4,6など偶数次元なら二次元ずつに分けてそれぞれ回転すればやっぱり不変な方向はない。5次元、7次元はどうなんだろ。
しかし、たぶんそういう群の構造じゃなくて、トポロジーの話なんだろうな。SO(3)は変数 3X3=9個 で条件3(ortho)+3(normal)=6個なんで9次元空間内の9-6=3次元多様体になるから、そのトポロジーを議論するんだろうな。
さらにしつこく追記:作者のページにそのものの解説あるやんけ。そうか四元数考えればS(4)も群になるのか。
四元数といえば、「トゥームレイダー」のララ・クロフトの動きをゲーム中で計算するのに四元数が使われてる、とかいう話をどっかで読んだな。どんなんだろ。やはりSO(3)と対応があるんだろうな。i*i=-1, j*j=-1, k*k=-1, i*j=k, j*k=i, k*i=j,だっけ。確かに回転の積を作る場合とか行列×行列よりも四元数×四元数のほうが速そうだ。分子動力学で、水分子を剛体として扱う場合にも、オイラー角より四元数を使うといい、て話も聞いた。



新・真空というか真・真空が c/2 で広がって行く話なわけですけど、「周囲を光速で一周する間に大きさが 40倍になるほど大きくなった」という記述があった。ふむ、頭の体操に丁度いい。以下解答を透明化。

真空に飲まれない為には垂直方向に c/2 の速度成分が必要なので接線線分は √3c/2。中心角をθとおくと dθ t c/2 = dt √3c/2。これを解くと θ=√3 log(t)。時刻 t1 から t2 で一周したとするとt2/t1=exp(2π/√3) 、半径の比も t2/t1 なので、時刻に関わらず一周した前後の半径の比は exp(2π/√3) 〜 37.6 、というわけで約 40 。 「大学への数学」とかのレベルかな。