使用機材:https://ita.hatenadiary.jp/entry/20180816/p2
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T山~淡路
朝起きてみると雨が降っていない。これはいいかも。さっそく美馬市のビジホを六時過ぎに出発。T山へ向かいます。この道も狭く対向車が怖いので移動は早朝か深夜に限ります。しかし山に近づくにつれ雨足が強くなってきました。まあ居残りは狙えるから大丈夫。8時過ぎに登山口に到着。長靴と雨具完全装備で出撃。途中のコゴメウツギなど掬うと雨だけどたくさんピドニアが入ります。いいぞ~。チュウジョウ、フタオビ系が多いです。
ブナ帯を超えて針葉樹林帯に入ると、ナナカマドがそこらじゅうにあり、100m歩くと一本咲いてる木がある感じで退屈しません。掬うと狙いのが!
ブロイニングヒメハナカミキリ★ オス
ニッコウヒメハナカミキリ四国亜種
肩まで黒いのがポイント。けっこう多かったです。そういえば基亜種のニッコウをまだ撮影したことないです。上高地でオオバヤシは撮影したんですが。学名はstephani、ブロイニングさんのファーストネーム。
ブロイニングヒメハナカミキリ メス
登山
アワとフタオビを精査している時間はないので、なるべく標高の高いところでいくつか確保する作戦で山頂を目指します。そういえば百名山ですからね、ピークハントもしときましょう。自己10座目くらいかな。登っていくうちに雨に加えて風が出てきました。こうなると居残りも吹き飛ばされて、咲きぶりのいいナナカマドの花を掬っても何も入らなくなりました。
下山
登りとは別の道を下ります。しかし尾根筋で風が強く、ナナカマドから何も入らないのが続きます。けっこう下ってから、山肌を巻く道に入って探索。しばらく進むと谷筋に入り、風が止みました。いいぞ、逆・風の谷。そして満開のナナカマドを発見。よーしよしよしよしよしよし!さっそく掬います。
イシヅチヒメハナカミキリ★
なんか真っ黒で大きいの入った!でも濡れてると黒くなるんでとりあえずケースに入れて後で確認することに。以下は車に戻って撮影したもの。うおーーー!ほんとうに真っ黒だぞ!お尻の先端がとがっているのも特徴。まごうことなきイシヅチです。やった!これで四国特産を制覇した!アワを確保してればだけど。
アワノミハナカミキリ★
アワヒメハナカミキリ
このあたりで掬ったフタオビ系をとりあえず確保。撮影してみると、なんとなく毛が濃いような?でもフラッシュの具合で毛が写ったり写らなかったり。前胸のくびれが強いかというと、そうかもしれないけど、こんな感じのフタオビもいるんで分からない。記載論文の写真にしてもそれほど前胸の形が目立って違うようには見えない。twitterで、高標高ニセフタオビ系は実体顕微鏡でエリトラの毛の密度を見るとよくわかるとアドバイスいただきました。ルーペではまだ拡大が足りないとも。
微毛比較
いろいろ試してみて、バックを黒にしてアルミ箔を周囲においてフラッシュを反射させることで安定してエリトラの毛を撮影できることが分かりました。完全ではないですが、何回か撮影して一番毛が多かった写真同士を比べたのが以下の写真。上が今回の個体。下が鳥取大山700mのフタオビ。倍くらい密度が違います。
シナノキ
途中巨大なシナノキを発見。これが咲いていればピドニアうはうはですが、掬ってみると花がない。うーん、標高的に(1800くらい)終わってるってことはないはずなんで、咲かない年なのかな。クロニセリンゴが入った。そういえば小雨の川苔山の山頂でシナノキ掬ってチチブニセリンゴが入ったな。あれが自己初の時だった。ここでも落ちれば亜種コジマベニスジになるので、念入りに掬ってみます。しかし雨でぬれた網が重く、長く伸ばした竿を振っていると腕が限界に。
下山
最後の神社の階段を下っていると、これが川のようになっていました。ちょっとこれで危機感を覚え、下りの酷道で土砂崩れに巻き込まれたらシャレにならんと思い急いで下りました。でも下るにつれて雨量は少なくなり、高速に乗る頃には晴れ間も見えるくらいになりました。ふー。
さて、往路を確保した時は復路のことを考えてませんでしたが、徳島から淡路を通って兵庫にいくJR線がないのでした。ということでレンタカーで出発するとき、淡路でコブを探して兵庫に渡り乗り捨てすることにしました。乗り捨て手数料は一万円。バスで徳島から神戸まで3000円だったので、まあちょっと高かったかな。7000円でコブを探しに行った感じです。
淡路
淡路島に上陸するとなんともいい天気!さっそく過去二回振られたここのセダカを探します。ソダの多い場所でルッキングしていると・・・
セダカコブヤハズカミキリ基亜種
念のためビーティング布を下に置いて枝を引き寄せますが全く動じず、そのまま接写できました。樹皮を齧っていますね。なんで夏は樹皮、秋は枯れ葉なんでしょうね。秋は糖分だけ必要でセルロースならなんでもいいのかな。
移動
わりと時間を食ってしまったので淡路の巨大SAにも寄らず新神戸へ。車を返して遠征終了。ぷはー、大戦果の後に新幹線で飲むビールはうまいぜ!幕の内弁当も食べて東京まで爆睡でした。家に着いてから遅くまでピドニア撮影しましたが。
今後の四国
道が道なんで、あまり何度も来たくはないんですよね、四国。四国限定で残っているのはヒメヒゲナガとヒメヨツの四国亜種、およびニセシナノクロフ。ヒメヨツとかこっちでもまだなのに、ちょっと先の話になりそうです。ちなみにコブ二種は撮影済み。九州でも狙えるのはヨツスジハナとアルマンの亜種。甲信越だとアルマンはダケカンバ立ち枯れが鉄板ですが、四国九州で見た覚えがないな。ブナで狙うことになるのか。なんとかブナ帯でヒメヨツとアルマンを狙える算段がついてからチャレンジかな。オオクボとかその時期だと遅いかもしれないな。あとはなんだろう、モモブトコバネとスピニかな。こっちは海沿いになるな。これらは屋久島とかで狙えばいいんだけど。