過去に戻れる世界のシミュレーション

イーガン『クロックワーク・ロケット』世界の計算
Memeplexes: 『クロックワーク・ロケット』(グレッグ・イーガン)のシミュレーション?

ああ、これについては記事を書こうと思ってたけど、思っていたことを全て書かれた感じです。素晴らしい。

たとえばビリヤード。この世界でシミュレーションしようと思ったら玉の位置と速度を設定してから順々に動かして行けばいいわけです。ニュートン力学の勝利。
しかし、たとえば、ある穴に入ったら反対側の穴から「五分前」に同じ速さで出てくるというタイムトンネルがあったらどうでしょうか。計算無理ですね。ピンボールのゲーム作ってそういうギミックを入れたとしましょう。穴から玉が出てきたらかならず五分後には別の穴に玉が入らないといけないです。しかしプレイヤーがわざと玉を落としたらタイムパラドックス!ダメです。

また、たとえば玉と玉の反発力を計算したいとしましょう。普通は「同時刻」の玉の位置関係から力を計算して反発させますが、「同時刻」の定義は観測者に依存してしまいます。じゃあ対称にしよう、ってことで4次元空間で相手の軌跡すべてからの反発力を足した力が働くとする、としましょうか。すると相手の未来の位置が必要になります。それは今から計算しようとしてるんで分かりません。ダメです。いちおうこっちの世界では過去からの寄与だけ足せばいいんで計算はできます。
ただし、現在のスナップショットだけあれば計算できるよ、っていう位相空間とか正準方程式っていう概念は破綻します。リュービルの定理が相対論的に拡張されたという話は聞いたことがありません。いや、あるのかな?
要検討 http://web.mit.edu/edbert/GR/gr3.pdf


テッド・チャンのいくつかの短編で出てくるような話です。なんか、矛盾ありで初めに歴史を作って、それを反復解法で徐々に矛盾を解消するような方法があればいいんですが。

思いつき

こんなRPGどうでしょうか。主人公が弱い時にピンチになるが謎の助っ人が登場、操作できて色んな強力な技とか使い放題で敵を倒す。
ゲームが進んだ時、例の助っ人は強くなった自分自身が過去に戻ったんだと分かる。その時に使った強力な技をマスターして過去に戻るまではゲームが進まない。