見ておくがよい…半世紀ぶりの記録を狙うとは、大体こういう事だぁー!

撮影機材: https://ita.hatenadiary.jp/entry/2025/04/17/000000
採集機材:https://ita.hatenadiary.jp/entry/20180816/p2
クリックで拡大。

東京都で半世紀ぶりのカミキリ記録を狙って爆散してきました。

www.youtube.com

まずは赤松材の「ニシヒメシラオビカミキリ」。以前よりヒメシラオビの亜種でなく別種だろうという噂はあり、カミキリ図鑑IIIで確実に分類変更されるだろうと思われてましたが、図鑑を待たず月刊むしで記載されました。
富士山で材で出して、どういう材から出るかはわかっているので狙ってみましたが、丁度いい材はなかなかなく。
ちなみに何度も書いてますが直径2-3cm、ハサミを入れると樹皮がペロっと剥けて材部はまだ湿度があるという、新しくもなく古くもない材で菌が回ってればなおよい。

その過程でツガの伐採材を発見。次の週、これはこれで別の半世紀ぶり、正確には45年ぶりのカミキリを狙う。この山でこの季節に一度だけ採集されている。

ツガ伐採材

過去に富士山で三度ほど狙って撃沈していますが、今度こそ。夜ルッキングに挑みましたが全くカミキリは来ない。持参した紫外線LEDライトに若干虫が来たくらい。せっかくなので夜中に山の中であちこちうろついてみる。カミキリはキボシ、ヤツメ、ナガゴマフ、ホソ、ヒゲナガ、ノコギリなど。ベンチで寝ようとしたけど硬くて痛い。一時間ほどして起きて下山することにした。駅までとぼとぼ歩き、明るくて蛾が飛んでる待合室でぼーっと始発を待つ。その間に知ってる虫屋さんの訃報に接する。残念。

ところで何も収穫がなかったわけではなく。ちょっとしたタチツボスミレ群落でクロチビタマムシの幼虫を発見し、いくつか確保して帰りました。

クロチビタマムシ幼虫

数日後、何か様子がおかしいので葉から出してみる。蛹なら丸くて茶色いはずだけど透明で細長い。

ヒメコバチ

どうみても寄生蜂です。うーむ。二匹やられてました。もう一匹小さいのは葉が枯れて乾燥してしまった。
ヒメコバチの一種で、こちらのページにあるのと似ています。潜葉虫をターゲットにしている種あるいは種群のようで。というのも分類がほとんど手つかずで未記載種ばかりのようなので。
https://treefruit.wsu.edu/crop-protection/opm/pnigalio-flavipes-ashmead/

ヒメコバチ


二回目に訪れた時にもう一匹幼虫を確保。よく見ると、やはり横っ腹にサイズが1/5程度の幼虫が食いついていたので取り除いてみた。しかし本体は全く動かない。産卵された時に刺されて仮死状態なのかもしれない。死んでいるのであれば急速に乾燥して黒くなるので。もしかして幼虫が羽化する時間をはるかに越えて生かしていたら解毒されるかも?と期待して冷蔵庫に入れてますが、そもそも代謝しているのかどうか。少なくとも糞は出てない。
小さいハエに寄生する種だと、蛹にはなるけど羽化するための部分を攻撃する毒を注入するんだとか。いやはや全く恐ろしい。
寄生する相手によっても、どういう毒を使うかというのは変わってくると思うので、人類が把握できていない、そういう巧妙な毒を使うやつがおそらく何百何千種類もいるんでしょうな。毒も千差万別で。
まあ寄生蜂がすごいことは分かったから、なんとかクロチビ羽化してくれないかな。
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20250130-1.html

クロチビタマムシ幼虫