グレッグ・イーガン "Border Guards"

著者のページでオンラインで読めます。
読み始め。冒頭で描かれてる「量子サッカー」は大学の量力の演習にピッタリかも。長方形の井戸型ポテンシャルの中でゴールに波動関数の振幅を50% 以上集めれば得点になるゲームです。各プレイヤーはδ関数型のポテンシャルとして振舞います。いろいろ動き回ることで異なる波数のモードを混ぜて波束を作ろうとします。ただしこのゲームではプレイヤー毎に受け持つ波数が違うようです。i番目のプレイヤーの効果を式で書くとこんな感じです。Piは他のプレイヤーとオーバーラップする部分があり、「おーい、(8,2)のモードをパスするから、受け取れ!」とか言ってプレーしてます。
舞台となる宇宙は 3トーラスと書いてあるけど、早い話が計算物理でよく使う周期境界条件ですね。X,Y,Z 方向どちらも一定距離L進むと元に戻ってくるというやつ。そうでない場合は「世界の端」で特殊な処理が必要になって面倒だし、本来無限に大きい系では無視できる人工的な端の効果が出て来て良くないのです。



Unicorn Variations 収録のゼラズニイ『ハングマンの帰還』を英語で読み中。文章、特に会話がcryptic で苦戦中。サンリオのが悪訳なんじゃないんですね。