栗饅頭進化論

wikipedia:恒星進化論
栗饅頭にバイバインをかけて増殖させ宇宙に捨てる話。
食べると増殖は止まるので、一定以上の圧力により潰れると増殖は止まるとする。密度が1.1倍くらいになると停止、でいいかな。またあまりに高温になり炭化したりするとそこでも増殖は止まるとする。これらを一般化し、温度ー圧力相図のなかで増殖する領域が限られているとする。また増殖する場合は空いている空間が必要。増殖の途中でギュウギュウに詰まって密度が限界を超えたらそこで増殖はストップ。
表面付近では表層から少し下の饅頭が増殖して圧力が上がり、その上の饅頭は真空中に吹き飛ばされるが重力でまた戻ってくる。このあたりは連続体理論では扱えないので分子動力学的扱いが必要になる。その結果を見てeffectiveな連続体理論を構築する必要がある。これが境界条件となる。
内部についてはすべて球対称であるとし、中心からの距離Rの関数として温度T(R)、密度ρ(R)、圧力P(R)、流速V(R)についての時間発展方程式をたてて解くことになる。このときT,ρ,Pを関係付ける状態方程式が必要となる。簡単のため水のもので代用しても問題ないと思われる。圧力が高くなり分子同士のクーロン反発が負けるとか、高温で核反応が始まるとかも考慮に入れる必要がある。
表面でも栗饅頭として存在できなくなった時点で増殖は終わり、その時点での質量と温度、またその後の中心部での核反応によってブラックホールになったり中性子星になったり運命が変わる。

メモ:http://sunrise.hc.keio.ac.jp/~mariko/educ/yagami08/08.2.html

ざっくり試算

最大の焦点は、恒星規模の栗饅頭があった場合の中心部の圧力、温度、物質の状態を考えて核反応が起こるのかどうかYES/NOで答えることになる。精密なシミュレーションする前にBack of the envelope計算でオーダーを見積もることが重要。
太陽のような水素ガスの場合、高校物理の断熱圧縮の問題なわけで圧縮のエネルギーPVが気体の運動エネルギーになって分子が激しく動いて温度が上がる。水素原子同士ははじめ反発するけどものすごく近づくと核融合を起こしてひっつく。温度が上がってこの最初の山を越えるための十分な速度になれば核反応が始まる。
栗饅頭は炭水化物だとして、これは原子同士が既に結合している。常温状圧ではこの結合は一定の距離になっている。この距離はだいたい波動関数の広がりの大きさになっている。
まず原子一個を考えると、電子は核に近いほうが1/rのクーロンエネルギーを得するけど、場所を限定することで不確定性原理により速度が上がり、h/r 程度の速度になる。運動エネルギーは1/r^2 に比例。つまり全部で1/r^2-1/rのエネルギーになりこれを最小にするr0で落ち着く。これが軌道の大きさ。

原子核同士はクーロン力で1/rの反発があるが、2つの原子の軌道が重なりはじめるとそれに比例してエネルギーを下げることができる。重なりはだいたい exp(-r/r0)程度。これとクーロン反発の和を最小にするr1があって、それがだいたいの原子間距離。これがもっと近づくと、重なりの項はある程度大きくなると一定値になるけど反発は1/rでどんどん大きくなる。

だいたいのオーダーとして、2s,2p軌道が重なる距離はC-C距離の1.5Å程度、1s軌道はH-H距離の0.8Å程度。ぎゅうぎゅうに圧縮してCやOの距離が0.8Å程度になったとする。2s,2p軌道は全部重なりまくってるので、各原子の軌道の重ね合わせというピクチャーはもはや成り立たず、金属のように周期ポテンシャルの一体問題を解いてバンド計算をするような話になる。軌道が全部重なっているので電子は全原子に共有される形になる。こういう固体構造に変化するときに相転移が起こると考えられ、そのときに潜熱が放出される。そのオーダーはしかし最大でも化学結合つまり燃焼の熱の1オーダー上程度と考えられる。その後は状態方程式としては、原子間エネルギーは1/rに比例するとしてよい。振動のエントロピーによる熱膨張の効果もあって、自由エネルギーに-r Tに比例した寄与がある。結局、F=A/r -BTrとして、∂F/∂r=Pとなるrが実現される。
つづく