Numb3rs シーズン3:停電とネットワーク理論の話 "Blackout"

LA近郊で変電所に車が突っ込み大規模な停電が発生する事件が三件連続で発生。チャーリーは犯人が高度なネットワーク理論を応用し停電を起こしやすい変電所を狙っていると推理して次の標的を割り出す。狙いはテロか?株価操作か?

ある送電ルートが切れるとそれを迂回するため近隣の送電線に多くの電流が流れる。これがキャパシティを越えるとその線もシャットアウトされ、さらにその近隣の送電線にもっと大きな負荷がかかるというカタストロフィックなプロセスで大停電は発生する。
実は物理学者が亀裂進展の問題を考えるとき最初に思い付くのがこのモデル。一定以上に伸びると切れるバネのネットワークを引っ張るというもので、Phys.Rev.Lettなどにもたくさん出ている。フックの法則→オームの法則、ひずみ→電流、変位→電圧とすればそのまま送電線ネットワークとなる。
しかしこういうモデルでは破壊力学の分野で標準的に用いられている応力と亀裂進展速度の経験的な関係式を出すところまでは行けない。MD計算も盛んだけどサイズ効果が大きくて難しい。