●フィリプ・ホセ・ファーマー『恋人たち』、伊藤典夫訳 ISBN:415010378X 【アマゾン】, 早川文庫SF

宇宙船に乗るあたりから面白くなって興奮して読んだ。確か昔キリスト教の宣教師が黒人を初めて見て、人間か人間じゃないか(人間じゃないなら布教しなくていい)でもめた、という馬鹿な話を聞いたことあるけど、そういうのも絡んでるなぁ。最後は強烈なインパクト。


Yerka +ハーラン・エリスン、"Mind Fields" ISBN:0962344796 【アマゾン】大判の画集なので電車で読めないけど、連休中にだいぶ読み進む。製本がちゃちいので、表紙が反り返ってきた。ハードカバーにしとけばよかった。でも今はペーパーバックしか売ってない模様。1ページにポーランドの画家 Yerka のダリ+エッシャーって感じのシュールな絵、その隣のページにエリスンが絵を見て想像したショートストーリーが書かれている構成。

エリスンの英語、きついっすー!とくに語彙が。とにかく小難しい単語を頻繁に使うし、造語や時事ネタの固有名詞があったり。これ1ページ読む時間でナルニアを2章くらい読めます、きっと。
でもがんばって読むと、よくここまでイマジネーション膨らませるな、て感じでエリスンの smart さに感服します。絵がシュールなんで、話の方も「世界の中心で愛を叫んだけもの」みたいな、現実世界の矛盾や不条理とシュールな設定を絡めた感じの話が多いです。
エリスンってリアルタイムで読む作家だと思います。邦訳が「世界の中心…」しかないのは不遇ですね。あれはモロあの時代の色に染まってます。