●『モンスターランド』草野巧、新紀元社 ISBN:477530030X 【アマゾン】

昔はこの手の怪物の本は渋澤龍彦の『私のプリニウス』ISBN:4309404839 【アマゾン】『夢の博物誌』ボルヘス『幻獣辞典』ISBN:479491265X 【アマゾン】 なんかを貪り読んだけど、RPGブームで最近は量産されててイマイチ食指が動かなくて、最近面白かったのといえばホビージャパン社『クトゥルー神話図説』XISBN4894250446 くらいでした。この新紀元社ってとこもいろいろ量産してるとこなんですが、この『モンスターランド』はそういったのとはスタンスが違って「怪獣図鑑」とか「妖怪図鑑」みたいなノリで面白かったです。シリアスなイラストの隣に怪獣図鑑みたいに半分断面にした解説図があったり、「こうげき方法」とか図解してあったり、トボけた感じがいいです。また口調が子供向けのですます調なのもいい感じです。笑ったのは「貫胸人」ですかね。立ち読みするなら、まずこのページ見ましょう。あと、鼻行類のページもあって、「ハラルト・シュテュンプケという動物学者の『鼻行類』という論文からいくつか紹介します」とか書いてあるのもいいです。これを読んで本気にした子供が図書館で実際に『鼻行類』を見つけてページを繰り驚愕する様を想像すると楽しくなってきます。あとはトロルやドラゴンの解説文にはトールキン読者がニヤリとする記述があったり。大人も子供も楽しめる本だと思います。