理系マニア向け

トーラスを平らに

四次元でシワを作らずにトーラスを作る方法:  (\cos \theta , \sin \theta , \cos\phi, \sin\phi)0\leq \theta \lt 2\pi, 0\leq \phi \lt 2\pi。と表される面を作ればいい。三次元で (\cos \theta , \sin\theta , \cos\phi)をプロットし、4次元目の成分を色で表示するってことをすると http://gregegan.customer.netspace.net.au/DIASPORA/02/02det.html にある図になる。

トーラス上の測地線

トーラスを X=(1+r \cos\phi)cos\theta, Y=(1+r \sin \phi)\sin\theta, Z=r \sin\phi で表す。0<r<1は定数。表面上の曲線を φ=φ(θ)とパラメトライズしてφをθの関数にして表す。曲線の曲がる方向は \vec{a}=\frac{d}{d\theta}^2 (X,Y,Z)。これが法線方向 \vec{n}=(\cos\phi \cos\theta, \cos\phi \sin\theta, \sin \phi)と接線方向 \vec{v}=\frac{d}{d\theta} (X,Y,Z) の成分以外を持たない、つまり \vec{a}\cdot (\vec{n}\times \vec{v})=0 というのが測地線の条件。ごちゃごちゃ計算すると
r \phi ^{\prime \prime} + \sin \phi + (r \phi^\prime)^2 \sin \phi=0
という微分方程式になる。 r= 1/4 の場合について初期条件 \phi(0)=0\phi^\prime(0)をいろいろ変えて数値積分すると下図のような結果になった。厳密に一点で交わるわけではない。
ただ、赤道からのずれが小さく\phiが0に近い場合、\sin \phi \sim \phi と近似できて、さらに第三項は無視できるので上の方程式はほぼ線形になり、 \theta =\pi/\sqrt{r}においてほぼ一点で交わる。作中では 1デルタ×1/4 デルタの紙で作ってるんで r=1/4。したがって \theta=\pi/2で焦点を結ぶはず。このあたりを見つめると、ちょっと角度がずれても同じ点が見えることになるので、この点付近が非常に拡大されて目に映ることになる。

あ、変分の方が計算楽かも。線の長さは
\huge l =\int_{\theta_1}^{\theta_2} \sqrt{(1+r\cos \phi)^2+r^2\dot{\phi}^2}d\theta
になるから、これをφ(θ)の変分で解く。\huge \delta l =\int F(\phi) \delta \phi d\thetaと変形し F(φ)=0 を解く。

訂正:線を\huge \theta(t), \phi(t)と置くと線の長さは
\huge \int dt S(\theta(t), \phi(t), d\theta(t)/dt, d\phi(t)/dt)
Sは接線ベクトルの長さ。これを変分で解く。具体的計算法:http://d.hatena.ne.jp/ita/20071130/p1
結果は

  • φ''= -θ'θ' sinφ (1+r cosφ)/r
  • θ''= θ'φ' r sinφ/(1+r cosφ)

これがトーラス上を等速度で移動する時の方程式。θとφおよび速度の初期値θ'とφ'を与えて解く。

Gauss-Bonnet の定理:連続版

距離が定義できる多様体の上でガウス曲率は、R→0の極限で 3(2\pi R-半径Rの円の円周)/\pi R^3 と定義される。→http://en.wikipedia.org/wiki/Radius_of_curvature 半径rの球面ならr^{-2}
面積も定義できるなら、これを面積分すると4πになる。ジーナスg の多様体なら4π(1-g)

ユークリッド空間

よく知らないんですけど、ユークリッドの公理からピタゴラスの定理を導けるんでしょうか。なんか巻末用語解説のユークリッド空間を読むとピタゴラスの定理が成り立つ(ていうか測度が単位行列)てのが定義っぽいんで。