三次元で z=Z(x,y)と表される面上の最短経路=測地線を考えてみる。
まず一般的に、n次元での運動の速度の二乗が速度の各成分viを使って という二次式で表されるとする。gij は計量(measure)。
たとえばz=Z(x,y)面での速度はxとyの速度を使ってとかける。などとおくと、
したがってこの場合、gxx=1+Zx^2, gyy=1+Zy^2, gxy=gyx=Zx Zy。まとめると gij=δij +Zi Zj。
計量gijの空間を一定速度で測地線にそって進む物体の運動方程式は、各成分の加速度が速度の二次式で表されるものになる。この二次式の係数がクリストッフェル記号。
ここではgijの逆行列のab成分の意味。また
。
http://en.wikipedia.org/wiki/Geodesic
gij=δij +Zi Zjである場合、gij,k = Zik Zj+Zjk Zi。ただしZijはZをxiとxjで微分した二回微分で、Zij=Zji。 これをΓの式に代入すると
二次元の場合、2x2行列の逆を計算して g^-1 ={1+ZxZx, ZxZy, ZxZy, 1+ZyZy}^-1 = {1+ZyZy, -ZxZy, -ZxZy, 1+ZxZx}/(1+ZxZx+ZyZy)
したかって は g^-1.(Zx, Zy) の第l成分だから計算すると (Zx,Zy)/(1+ZxZx+ZyZy)。
したがって
- ax = - Zx/(1+Zx*Zx+Zy*Zy) * (Zxx * vx * vx + Zyy * vy * vy + 2 * Zxy * vx * vy)
- ay = - Zy/(1+Zx*Zx+Zy*Zy) * (Zxx * vx * vx + Zyy * vy * vy + 2 * Zxy * vx * vy)
というわけで加速度は常に勾配の方向を向いている。
Z(x,y)= 1/(x*x+y*y) という発散するトゲの場合に、中心近くからいろんな角度へ発射した場合の軌跡
穴との角度が60度以下の場合は吸い込まれて何度も巻きつく。70,80度の場合は何回か巻いてから脱出する。90度以上の場合は巻かずに離れる。
レポート問題
シュワルツシルト計量の二次元極座標表示
- gtt = -(1-1/r)
- grr = 1/(1-1/r)
- ghh = r^2
/(1-1/r)
の場合に同様の計算を行い、自由落下の経路 (t(s),r(s),h(s))を計算しトラックバックを送信せよ。hはθのつもり。
rとtをペンローズ図で使う変数に変換してからのほうがいいのかなぁ。http://d.hatena.ne.jp/ita/20051106/p1
普通にやると、落ちる場合はr=1付近でいろいろ発散して、経路がt方向に向いてしまい事象の地平は越えられない。外から見てる分には正しいけど、落ちる人の主観では有限時間で越えてr=0まで行く。