四国紀州ピドニア一気

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四国と紀州の、ちょっといいピド見てみたい!それ一気一気一気一気!

Day 0

大阪での仕事を夕方に終えその足で淡路へ。以前セダカで秋に敗退した山で夏の夜回りリベンジ。イワワキ、ツルギ、ソボで成功したこの方法ならば!と意気込むもやはりブナ林と違い大きな木がない上に倒木も少ない。極太でキノコ生えまくったブナ倒木なんていう物件あれば、そらあセダカいますわな。しかしそんな木を標高300m程度の山で見つけることは不可能。低山セダカこれで6連敗0勝。
夜のうちに徳島の山の中へ移動。四国の山道は狭く対向車が来たら100mくらいバックしないといけないので夜がいい。目的地入口で車中泊

Day 1

予報によれば徳島の南半分が雨。現在地はギリギリか。まあピドニアだから雨でもなんとかなるだろうと。ピド屋には知られた林道を進みます。事前情報によればここにはシコク、マホロバ、ヤマト、アワ、イヨ、チュウジョウ、トサがいる。イシヅチ以外の四国の全部という感じだ。

林道


時おり強く降ったり弱まったり。ピドが飛ぶにはちと厳しい。朝に居残り掬ったらそれで終わりだ。天気が良ければ沢沿いの道なんかを歩いてシコクヒメコブハナ、サワグルミやシナでチチブニセリンゴ亜種、ブナでミヤマケシなんかも探したかったんだが。
林道はガレててパンクが恐い。途中で30cm大の崩落した石が散乱した場所に遭遇。直撃に注意しながら手でどける。石器のような破片も多い。しばらく進むと今度は50cmと70cmの落石。70cmの方はびくともしない。50cmのをどけてギリギリ通れるようになった。そしてしばらく行くとまた落石。前回人が来てどけてから、2日から5日というところだろう。その期間にこれだけの落石があるというのは、かなりの確率だ。変な所に駐車してたら直撃食らうかもしれんし、帰路を塞がれるかもしれん。
とりあえず3つ目の落石までの間でなんでもかんでも花を掬いまくる。サワフタギや、あまり目立たないアオダモっぽい花とかが優秀だった。

ヤマトヒメハナカミキリ★

あーホソガタね、はいはい、とろくな撮影しないうちにお亡くなりになった。ホソガタは甲信エリアにしかいないんだよ!ヤマトはいわゆる置換種というやつか。

チュウジョウヒメハナカミキリ★

これもたくさん入ったイヨのオスと間違えて撮影しなかったもの。雨に塗れてS紋とかがあるように見えたのでしょう。メスもおそらく掬ってるけどニセフタオビと間違えてリリースしてるな。オヤマの置換種らしい。

イヨヒメハナカミキリ★

ヨコモンは甲信と紀州にしかいないので、ニセヨコモンを除外すればイヨということになる。前胸の形状からニセヨコモン除外したつもり。白い部分がヨコモンより白い?Lm紋が大きく丸い?点刻がより粗い?うーーーん、どうなんだろう。そうかも。


別個体

イヨヒメハナカミキリ


イヨヒメハナカミキリ

オス。すべての個体が腹節は黒だったのでニセヨコモンではないはず。

ヒメハナカミキリsp

徳島の高標高にはアワがいて、ブナ帯上部ではフタオビと混棲しているということ。両者の違いはネット上にある情報だけではなんとも判断しがたい。現在原記載論文の Elytra New Seriesを注文し取り寄せているところ。
甲虫学会の出版物は何年か経つとネットで無料公開されるが、アワ&サキモリの記載は2015年なんでまだ有料。
7/23追記: アワの場合、オスは触角が余裕で上翅端を超える。メスはすこし届かないくらい。この個体は明らかにフタオビ。なおネット上にある、触角が太短いという情報は同時に記載されたサキモリの特徴であり誤り。

パンク

三時間ほど待っても晴れないので移動。下りで油断してスピード出してしまい、パンク。舗装まであと1-2キロだった。違和感を感じつつしばらく走ったので途中でホイールキャップが外れどこかへ行ってしまった。とりあえず保険でロードサービス呼んで無料で臨時タイヤに交換してもらえるようだったが圏外。強い雨の中、マニュアルを読んで初めてタイヤ交換をした。さすがに1-2kmとはいえスペアでまた後戻りしてホイールキャップを探す気にはなれない。と思ったらオフロードバイクの兄ちゃん集団に遭遇。キャップ見つけたら2000円、見付からなくても1000円でどうですか?と持ちかけたら乗ってもらえた。そしてめでたく発見。2000円でお礼した。
徳島市までトロトロ40km運転しオートバックスで本タイヤに交換、8000円。幸いこれは保険で建て替え払いになるとのことだった。時間は3時。明日は紀州を攻めたいのでとりあえず淡路島で気になっている場所を攻めることにした。

照葉樹林

ストリートビューで見て、南方系の虫がいる神奈川のとある場所にそっくりだと思ったが、実際そうで自然度の高い照葉樹林だ。

絶景


枯れ蔓

こういう枯れ蔓があちこちにある。叩くとだいたい何かしらカミキリが落ちて楽しい。シロスジドウボソが第一希望だったが、どうもジャケツイバラというのが生えてなかったようだ。本州部では葛や藤でも取れてるんだけど。

シラオビゴマフケシカミキリ

アトモンマルケシカミキリ

ガリシロオビサビカミキリ

コブスジサビカミキリ

ヤハズカミキリ


ヒメアヤモンチビカミキリ★

いえーい、さすが南方雰囲気。四国九州では普通種だけど東にはいないんで自己初。


ヒメヒゲナガカミキリ

カラスザンショウ材で夜に発見。白い帯が太く連結している。四国亜種の特徴だ。図鑑によれば、中間的な形質も表れるため異論はあるだろうが便宜上四国などを亜種とする、と書かれている。こういうのは難しい。四国亜種っぽい形質が四国以外でも表れることがあるが、四国では安定して表れるということだ。半亜種とでも呼ぼうか。クロナガタマムシなんかも、対馬のを亜種とする学者もいる。たしかに関東では前胸が赤いのと青いのが両方いるが、対馬では赤いのしか見なかった。

ノグルミ

新鮮なノグルミの伐採材を発見。ネットで調べると、淡路産のタカサゴシロがオークションに出ていた。ノグルミの葉をよく調べたが発見できず。夜に材を見にきたがやはり発見できず。まあ奄美とかで探すかね。

移動

夜のうちに大移動。紀州のビジホに宿泊。

Day 2

目的地候補は二か所。二種のピドニアにその名を冠する山系、および西の方にあるブナ林。雨雲レーダーでは東の方から雨が来ている感じだったので西を選択。ルートインで朝食を食べてから出撃。ドピーカンで、ちと出遅れたかな、と思うも目的地に近づくと霧そして雨。念のため雨雲レーダーを確認。県境なので場所を見間違えることはない。雨雲は写っていない。ステルスかよ。知人チームが二週間前にこの地でオオクボ、トゲムネホソヒゲなどいい虫を採集しているので期待していたが、早々に諦めピド一本となった。
あまり多くない道の脇の花で探す。

ヒメハナカミキリsp

イヨよりはLm紋が小さいかも。ヨコモン?ピクセルで測るとLm紋の長さはエリトラの長さの25%だった。イヨだと28%くらい。

トサヒメハナカミキリ★

四国で見つけられなかったのをここで挽回。関東圏でのセスジ系の同定が楽になった。

フタオビヒメハナカミキリ

暫定アワとの比較用。うーん、同じだ。

イヨヒメハナカミキリ

Lm紋が大きい。

終了

天気は好転せず。ブナ倒木などチェックするもセダカ発見できず。まあここはイワワキなんであまり熱意が入らないが。15:00ぐらいに撤退し三時間運転し新大阪に車返して終了。大阪は土砂降りだった。

丹沢のキイロメダカカミキリ

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材チェック

5月に北丹沢で拾ってきたダンコウバイの枯れ枝。採集したときの記録:http://d.hatena.ne.jp/ita/20180506/p1
ちょっと粉が出たので期待してたけどその後音沙汰なし。スカかな〜と思っていた所。今日もパッと見なにも出てない。ケースを置いて別のことをして、ふと見るとケース内側側面に小さなゴミが、と思ったら次の瞬間ゴミが側面から落ちていた。ちょっとまて!ゴミはそうそう動かない!

キイロメダカカミキリ★

キター!いちおう記録のある場所で拾った材、とはいえ神奈川での本種の記録は数例というところだったと思う。その記録の詳しい状況はわからないが、茨城での例を参考にダンコウバイを拾ってきたというわけ。ものすごい小さい羽脱孔とかも開いていて、糞も新しめのが詰まっていた。いやしかし、こんなに小さかったのか。タカオメダカ、サドチビアメイロなんかと同じくらいだ。一応これでも最大倍率での撮影です。
茨城の某林道は有名になってダンコウバイ材はあらかた採集されてるらしいですが、丹沢エリアはわりと広くダンコウバイが見られるので、狙い目かも。あとは、ブナ帯まで登るとアセビが多いですが、これもホストに含まれているので、誰か試して見ませんか?



あ〜〜〜しかし、ようやくカミキリビンゴ2018が一つ穴あきました。今年自己初カミキリ13種目ですが、ようやくですわ。

ラギウム幼虫

おまけ。飼育中のラギウム幼虫。トウヒ樹皮下で木の繊維が片側に詰められた隙間にいた。全周を繊維で囲んで蛹室完成だと思うので、もう食べずに蛹化するだけの可能性に賭けて変なものは食わせない。砂糖水だけちょっとなめさせてみてる。

木曽方面遠征

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梅雨時、どこに行くかは迷います。この週末は梅雨前線が本州南岸に停滞。関東、長野、福島、東北、北海道の順に天気は良くなりますが、お金もかかります。
今回は色々と狙える長野方面にしました。金曜夜から土曜朝までは天気が持つので、ヨツボシを狙うため金曜夜に出発。長野に電車+レンタカーでは店が開いてないので八王子で借りて長距離ドライブ。車二日1.2万、高速0.8万、ガス0.8万。

Day 0 (6/22)

ヨツボシ灯火は空振り。次のターゲットはとあるサペル。近縁のセミスジを灯火で採集した経験から、記録のある場所で灯火巡りする算段。ストリートビューで街灯もチェック済み。しかし!すべてLEDであった!まだだ、まだ終わらんぞ!

Day 1 (6/23)

暗い山中まで行き車中泊。夜明けと共に目覚め産地周辺で樹種のチェック。ハルニレがあれば、と思ったけど、意外と全くない。菩薩とかあれだけそこらじゅうにあるのに。唯一、シナノキを発見。サペルを朝露でネットが濡れるような時間に狙って掬い、過去にヤツボシやらアマミモンキやらゲットしているので、この縁起のいい方法で狙います。しかし若干気温が低いためか、なにも入らず。うむー。そのうち雨が降ってきます。ハルニレを掬いたいのであちこち雨の中ハルニレを求めてロケハン。しかし見つからず。なんか赤松が多い。ちょっと菩薩あたりとは植生の感じが違う。

ジュウロクホシテントウ★

アカマツの半枯れの枝を発見。ナカバヤシ来い!と掬うとこれが入った。
松につくそうで、てことは葉を食べるのかな。


移動

とりあえずあきらめて更に移動、御嶽方面の亜高山帯で明日に向けてロケハン。
夕方になって雨はやみました。ちょうどナナカマドが咲いている。こんな時はピドニア狙いしかない。

キベリクロヒメハナカミキリ

居残り組が結構入ります。

ヒメハナカミキリsp

その場では同定できず。あとで写真を見返して、前胸が角ばって赤黒赤、といえばシンシュウか!と思い当たりました。

しかしホテルで撮影してみると雨で濡れて黒くなっていたのが赤くなり、ちょっと違うかも。

裏面も、腹節の1,2節が黒くない。これはシンシュウではない。では何かというと、不明。胸が赤いので、おそらくブービエカクムネツマグロ系。

ここでタブレット端末に入れてあったシンシュウの記載論文、Elytra 29(1)をチェック。パラタイプ産地に今いる場所がばっちり含まれています。ちなみに帰宅してからプロット図を作ってみました。複数の山系に跨る、謎の分布です。

論文にあるシンシュウの特徴をまとめると、

  • 触覚:3節以降は先端が黒ずむ。5>3=1+2=6>4
  • オス
  • 中後腿節先端かすかに暗い茶色
  • S紋明確、B紋かろうじてある。Lb,Lm紋小さい A紋幅広い
  • 1,2腹節が黒、3-5は黄褐色
  • メス
  • 中腿節先端黒ずむ、後腿節先端黒
  • S紋明確、後方1/8で三角にひろがる。B紋明確、Lb紋細く小さい。Lm紋非常に小さい。A紋幅広い
  • 腹節1-3側方が黒ずむ

あーそういうことね完全に理解した

ヒメハナカミキリsp

ウスイロと思ったけど、ブービエカクムネ系の小型個体かもしれない。ウスイロはもっとか弱い感じ。

オヤマヒメハナカミキリ

ヒメハナカミキリsp

たぶんヨコモン

ヒメハナカミキリsp

ホソガタかハクサンシラネ

下見

原生林の道を少し歩いてみる。いい感じのコメツガ倒木を発見!明日は晴れの予報。よっしゃ!勝った!シナノエゾ!

移動

二日車中泊はつらいのでビジホのある町まで戻り宿泊。体とタブレットを充電。

Day 2 (6/24)

気持ちのいい天気です。

ヒメハナカミキリsp

前日見つけたナナカマドを早速掬います。お!これだなシンシュウ!メスの特徴に一致。なんとか自己初1を達成。
6/28 追記:シンシュウとしていたのを同定差戻し。東海大図鑑p.235の検索表ではLp紋が後方に発達するのはフトエリマキとしてある。前胸もあまり角ばっていない。

ミヤマヒメハナカミキリ

肩が黒い

アカバナガタマムシ

おおーラッキー。ナナカマドで得られるということを忘れていた。エリトラが紫のナガタマは他にコガネやベニがいますが、前胸も紫なのはこれだけ。大きさもけっこうあっていいです。

ニセハムシハナカミキリ

なぬー!じつは道中で結構マタタビが咲いていたので掬ったんですがオヤマヒメハナばかりでした。
しかしナナカマドで入るか!これも朝に狙うというのが定石の虫です。

ミヤマドウボソカミキリ

散策路で、前日に気が付かなかったコマガタケスグリを発見。おおーこれはあれがいるか!とルッキングすると難なく発見。フラッシュでテカリが出てミヤマの白い線が目立たなくなるんで、自然光でも撮ってみました。


倒木

朝に捕獲したいろいろを車内でやらせ生態撮影して木が乾くのを待ちます。そしていざ出陣。
しばらく日の当たる倒木で張り込みますが、見事になにも来ない。うーん、若干古いんだろうか。ちなみに樹皮を剥いて採幼しようとした形跡がある。しかし食跡の先にはことごとく材部への侵入穴が。ラギウムでないことは明らかなのでみんな途中でやめたんでしょう。この木と心中する気はないので移動。

シラビソ倒木

これほど新鮮でヤニの匂いのする木ならラギウム来るでしょう、という木。シラビソだとたぶんホンラギしか来ませんが。とりあえずホンラギでも確認したい。しかし来ません。うーん、早いのかな。

イワカガミ

植物は滅多に撮らないんですが、これは綺麗だったので。

下山

もうちょっと、もうちょっと、と先に進み標高差400mほど登るも、あまり高いとシナノエゾはいないのであきらめて引き返します。途中、古めのトウヒ倒木で、こんな古いならちょっと樹皮剥いても罰は当たらないなと剥いてみたら、足のあるカナブン幼虫のようなのが!げげ!しかし蛹室のようなのにいたのでもしやと思い持ち帰りました。どうもラギウム幼虫だったようです。ティッシュの蛹室で飼育中。

アラメハナカミキリ

狙いをピドニアにシフト。またナナカマドを掬います。しかしドピーカンなんでピドニアは入らず。代わりにこれが入りました。すごいボリューム感!

シンシュウヒメハナカミキリ★

腹1,2が黒。
ウワミズザクラのような形の、黄色い房のカエデの花がピドニアに人気でした。


別個体。

ヒメハナカミキリsp

これが分からないんですけど。S紋が途中で消えてます。後脚もあまり黒くない。そして前胸の角ばりが大げさすぎる。カクムネ系に近い。あとはほぼほぼシンシュウなんですが。そういえば2年前の御嶽で同じようなのを撮影し、腹も1,2が黒でした。あの時は同定できなかった。
追記:東海大の図鑑によれば、フトエリマキ、シンシュウ、ウスイロは遺伝的に同一で高標高ではまぎらわしい個体が出てくるとある。遺伝的に同一というのでさらに交配できるという意味であれば、紛らわしい個体は現状の分類ではどうしょうもない。混棲してれば個体差ということになる。


移動

時刻は16:00.もう限界です。帰ります。

ハンノアオカミキリ

帰り道、某サペルの地点に到着。夕方シナノキに飛来するサペルを目視で狙う作戦。南会津や菩薩では景気のいい木にあたると夕暮れ時にブンブン飛んできます。
今回はボチボチと飛来。40分ほど粘りハンノアオ2とシナ1。黄昏時、青くきらめきながら飛ぶハンノアオは遠くからでも分かり、とても綺麗です。普通種と侮るなかれ。
ここで本当に時間切れ。一路東京を目指します。

総括

500kmくらいは運転したでしょうか(追記 750kmだつた)。疲れた。ラギウムがうまく育ってくれたらいいな。

ユズリハの害虫

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職場から自転車圏内にいくつかユズリハの木があり、これが害虫にやられないか心配で心配で。定期的に見回りしていました。しかし駅のレンタサイクルがなくなってしまい、ここ何年かは巡回していませんでした。
ところが先月、職場ご近所の虫屋さんから、ユズリハがやられているとの衝撃ニュースが!さっそく行ってみると、どうも1,2年前から既に害虫にやられている模様。なんたることだ。悪逆非道なる害虫の跳梁跋扈をみすみす許してしまったとは。
これは成敗せねばなるまい。

チャイロヒゲビロウドカミキリ

見つけたぞ!成敗!成敗!成敗イイイイイイ!

下田でケルシウム

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関東周辺でも南西諸島のカミキリがいる場所がいくつかあり、なんとなくロマンを感じる場所になっています。館山のアマミトラ、外房のハチジョウウスアヤ、猿島周辺のコゲチャサビなどなど。
春の下田旅行で南方の植生とキイロミヤマカミキリを目にし、このへんで他にも南方の面白い虫がまだいるんじゃないか、という妄想にとりつかれてしまいました。カラスザンショウのいい伐採材もあったんで、普通種なれど縁がないタイワンメダカなんかもいるんじゃないかと期待して再訪しました。
こだま+伊豆急で下田+レンタカー。

フタオビミドリトラカミキリ

アカメガシワが花の盛りなので午前は花掬い。これが優占種です。南方雰囲気ですねー。


ヒゲナガヒメカミキリ

期待していたカラスザンショウ材はすでに下草に埋もれた状態。なんとか叩き網を差し込んで叩くと、これが落ちました。前胸の:−というマークが特徴。前々回は材からヨコヤマヒメが出てきたんで、ケルシウム2種類目です。奄美〜石垣ではだれも採集しないド普通種ですが、本州での出会いは特別です。。


NEED ID 蛾


ウスイロトラカミキリ

シイかカシの材で発見。すわ、アマミトラか!と思いましたが心配には及びませんでした。
じつはアマミトラ最近毎日のように材箱から出てくるんで有難味が薄れちゃったんですが。


食痕

タブノキ系の葉にリンゴの痕跡。タダリンゴか、はたまたアマミリンゴなどがいるのか。あ、クスノキ系食いのヒメリンゴという可能性もあるかな。痕の古さからして5末あたりに来ないと出会えないかも。

リュウキュウヒメカミキリ

この黒さ。同定が楽です。S田公園で伐採跡があり枯れ葉つき粗朶がたくさん。叩いてこれが落ちました。とりあえず関東圏にいるケルシウムはニホンチャイロヒメを除いてすべて関東でも撮影できた。


総括

ほんとはタイワンメダカとトゲヒゲトビイロに会いたかったんですがね。南方系を見つけるという目的は果たせました。夜行性のキイロミヤマを探して枯れ葉を叩きましたがヤハズやビロウドなど本土勢のみでした。
ちょっと調べたところ、リュウキュウヒメの静岡の記録が見当たらなかったので同好会に問い合わせ中。
7/11追記:月刊むしで2016年に報告されていたということを報文の著者様ご自身から教えて頂きました。ありがとうございます。

今年のカミキリビンゴ

いくつ見つけられるかな。概ね季節順。難物多いが気にしない

トゲヒゲトビイロ

*
タイワンメダカ

*
フトキクスイモドキ
高尾?樹冠
***
クロヒラタ
会津or北海道
**
トゲムネアラゲ
記録少
***
ナカバヤシモモブト
Done!
クスベニ

*
ヨツボシ
灯火6月
**
キイロメダカ
ムネアカメダカ
エゾエノキ6月
***
シナノエゾハイイロハナ
長野岐阜
***
オニホソコバネ

***
ホクチチビハナ
Done!
ヨコグロケシ
Done!
オトメクビアカハナ
御嶽ほか7月
**
スミイロハナ
御嶽7
***
カラフトホソコバネ

***
ホソムネシラホシヒゲナガコバネ
Done!
タカネ
Done!
シナノ
suzukii 南ア(亜-高)
**
カスガキモン

**
ムナミゾハナ
切株7末-8上
キベリカタビロハナ
重点7-8月
**
ヒメヨツスジハナ
8月
**
ヒゲジロホソコバネ

**
タケウチホソハナ
北海道
**
シナノサビ
同定注意7-8月
**
キジマトラ
Done!
ニセハコネホソハナ
木曽
**
オオトラ

***

移入種ハンター Part 2

先に書きます。成果なし。
目標はタイリクフタホシサビカミキリ、Ropica dorsalis。沖縄とかで自販機やコンビニによく来ているフタホシサビカミキリ Ropica honestaの親戚です。
地元である大陸ではなんでも食いかつ年中発生している普通種で、中国・台湾では 「雙星銹天牛」。検索すると普通種であることが分かります。何故か日本各地でも散発的に記録があります。

おそらく材木等について頻繁に入国してるけど、爆発的に広がることなく定常状態になるか消滅しているのでしょう。神奈川では桑で見つかっていますが、桑といえばニイジマチビの縄張り。どうやって折り合いをつけているのか、あるいは最終的にニッチを奪い返されて消滅するのか。
ざっくりしたエリアを伺っていたので、そのへんの謎も解明するために広範囲で桑を叩いて、ニイジマが落ちるかこいつが落ちるか、マップを作製する作戦。
しかし、いろいろな所で叩きましたが落ちるのはニイジマのみ。ついでに栗の枯れ枝も叩いたけどケシとかしか落ちず。狭い農道を自転車で走り回って調べました。
暑くて疲れた。30kmは走ったかな。しかし若干時期が早かったという可能性も。地理的でなく時間で棲み分けとか、枝の太さで棲み分けとか、まだ色々可能性はある。