月刊むしで2015年に高尾山でのフトキクスイモドキカミキリ「と思われる」ものが報告されていますが、今年は遠出自粛ということで5月に3回ほど出かけて捜してみました。
左から月刊むしで報告された高尾フトキクスイらしきもの、次が同誌で紹介されている典型的フトキクスイ、右4つは5月高尾で得た4個体。数字は上翅基部太さと長さの比をピクセル数から測定したもの。
一番右はあきらかなキクスイモドキです。サンプル数が足りませんが、5月始めは足が黒いのが多い傾向があるのかな、という感じです。しかし多少なりとも「太い」のはいませんでした。でもむし誌で紹介された個体と同様に触覚が短いのはいました。
もともとフトキクスイはトゲムネホソヒゲとキクスイモドキの中間的な特徴をもつ隠ぺい種として新たに記載されたという経緯があります。記載に用いられた標本は京都各地、箕面、鳥取大山の個体です。東北や九州でもその後みつかっています。四国と紀州はトゲムネホソヒゲのエリアで、フトキクスイはいないとされています。
キクスイモドキが地域変位や個体変異が大きいようで、もしかしたらさらなる隠ぺい種とかもいたりして?