Iron Sunrise

Iron Sunrise (Singularity)

Iron Sunrise (Singularity)

Quite a fun reading! Now I'm through chapter 2 and 3, and they were hiralious! "Memetic pollution right" LOL! These chapers have little to do with the main plot, but it seems that Stross couldn't resist to put as much stuff as he liked. Looking at the table of content, you can find chapters like "Set up us a bomb" and "Spy vs Spy"! How geeky reference it is!

日本語

というわけで、チャールズ・ストロスの「シンギュラリティ・スカイ」続編になります。現在半分くらい。何者かによる恒星のスーパーノヴァ化によって「モスクワ」星系が住民もろとも消滅。自動報復機械が近隣の「ニュードレスデン」に向けて発射される。止めるための時間的猶予は40年。裏では東欧やソ連の秘密警察のような謎の組織が暗躍。この事件に関する重大な証拠を持つモスクワ星系生存者の15歳の少女、星を渡り歩く Time誌の Warblogger、そして国連秘密組織所属で前作主人公のレイチェル、これらの人々の運命が交差していきます。雰囲気的にはイーガンの『万物理論』とかが近いかな。人類が謎の人工知能によってイデオロギーごとに色んな星に飛ばされて数百年後の世界、てことで社会科学の思考実験にはうってつけの世界設定になってます。あとは膨大な小ネタの嵐とか。星間宇宙船の案内ぬいぐるみ(六本足の青いネズミ)が「支払いはいかなる経済システムで行いますか?お金, Modal Barter, temporal future, algamic なんとか」といろいろ羅列しますけど、そういう Economy 2.0 に詳しい人なら笑えるんだろうなぁ。自分は分かりませんでした。
この世界ではEPR相関をゴニョゴニョした瞬時通信と、通常航行と、超光速ワープが混在してます。ワープが可能だとタイムトラベルも可能になるけど、そういう行為は超人工知能によって禁止されてます。なかなかうまい設定。ふと思ったけど、光速のオーダーの相対速度を持つ星の間の時差ってどうなるかな。ジェットラグならぬワープラグか。やっぱり設定を詳しく追求すると穴がある気がする。
おっと、邦訳がもうすぐ出るんですね。

アイアン・サンライズ (ハヤカワ文庫SF)

アイアン・サンライズ (ハヤカワ文庫SF)

英語でも書いたけど、2,3章でレイチェルが核爆弾を抱えたキチガイと対峙するところは抱腹絶倒です。シモネタ炸裂。