●グレッグ・イーガン『Schild's Ladder』 ISBN:0575073918 【アマゾン】 |
お、イーガンすれで Schild's Ladder まつりが。
いろいろネットを見てたらアダム・ロバーツによるレビューを発見。 これ。
要約すれば、理系の学位持ってない人間にも分かりやすい例え話をもっとキボン、て感じ。
ガチガチのハードな説明と、直感的な例え話の両方で説明してあるけど、自分はガチな説明が激しく面白かった。たとえば上のレビューで引用してある部分:
これ読んで「おもしれぇ!」と思った人は即刻読むべし。
"Think of all the different dynamic laws that might make topological sense, in terms of the propagation of various kinds of particles that are defined as patterns embedded in a graph ... now imagine a new set of vectors that consist of equal amounts of all these dynamic-law vectors, and which are all orthogonal to each other. These vectors represent definite values of a variable that's complementary to the law vectors. Branco calls them law-momenta-which is a bit sloppy, because their not true Lagrangian conjugates, but never mind ... now picture a state vector which has equal components when written as superpositions of the old set, or the new"
[Schild's Ladder, 129-30].
ちょっと説明すると、宇宙を侵蝕する新しい真空の中での物理法則の話。我々の知ってる物理法則はこの宇宙の真空からの励起を記述する近似的なもの。新しい真空は異なる真空状態の量子的重ね合わせになっているので、そこでの物理法則も様々な法則の重ね合わせに見える、という話。
ちょっと先日の非Aとか量子の話にも絡んでます。でも前野さんも書いておられたけど、長年物理をやってると量子力学は(観測問題を除けば、って除きすぎか^^;)なんとなく分かったような気になってくるんで、わりと身近に感じる。それがそんな変な宇宙でも成り立つのか、というと、もっと変なことが起こっててもいいような気がする。