帰省したとき実家のCATV で『エンタープライズ』を初めて見る。なんか家庭的でいいですね。ハル・ベリーみたいにグラマーなヴァルカン人とかホシちゃんとか。


スタージョン短篇全集7

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スタージョン 『海を失った男』 昌文社

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☆ "...And My Fear Is Great..." / 「そして私のおそれはつのる」、今本渉訳
やっと半分くらい。文体、テーマ共にスタージョンを満喫できる作品。じっくり味わってます。ちょっと ハーラン・エリスンっぽいかも。
翻訳も現在形や体言止めなどが効果的で Vivid な雰囲気がとてもよく出てます。解釈が分からなかった英文も翻訳のおかげで分かった所がいくつかあってあまり蘊蓄はたれられないんですが、一つだけ重大な誤訳と思われる部分が。内容に触れるので透明化。

"Hit'm quick, Doc, or he'll never start breathin'!"
訳では「やっつけろ、でなきゃ息を吹き返すぞ」となっている。これは「早く叩け、先生。じゃなきゃ息をし始めないぞ」という意味だと思う。穴にはまったズル剥けの鼠を足から引っ張り出す、というのを見て出産みたいだと茶化している訳だから。この経験がもとでドンは出産およびそれに結びつくセックスを無意識に嫌悪していた訳だから、これは割と重要だ。

あとはスタージョンとかブラッドベリの翻訳一般に言えることとして、 "hunger of years" とか "flowers of flame" といった端的な表現が「◯◯のような」とか「◯◯であるかのような」という訳になるとインパクトが少なくなる気がする。