虫2021

まだ書いてない記事がいくつかあります。
まずは書き始めないとね。以下のことについて書く予定。
2020夏 北海道。河原の折れたエゾマツ。夜は普通種いっぱい。昼はヒメシラフヒゲナガ。山でシララカハナ生態写真。スミイロいない。新鮮なエゾマツ倒木を原生林で発見。一日これに賭けてブヨと戦いつつ熊を警戒して待ってたのにシラヨツしかこなかった。河原でヤマナラシにヤマナラシがいた。網を車においてきて降りてこないヤナギトラをずっと眺めてた。柳を探して走り回るも二回目はなし。しかしエサキキンヘリの生態写真をとれた。
Update:とりいそぎ写真だけアップ
https://ita.hatenadiary.jp/entry/2020/08/23/000000
https://ita.hatenadiary.jp/entry/2020/08/24/000000
https://ita.hatenadiary.jp/entry/2020/08/25/000000
https://ita.hatenadiary.jp/entry/2020/07/26/000000

2020秋 京都大阪セダカ決戦。足が棒になって皮むけまくりヤマビルにつかれたが、それごときで見つかる京阪のセダカではない。
2021 6月。曇りで納得いかないも信越国境。オオハンモ時期を外した。納得いかずエゾエノキ掬ってるとタマムシ図鑑★4のヤマジナガタマをゲット。これで調子に乗って茨城でナガタマ何度か探す。サトウ狙いだったが偶然トガリバシラホシが入るも確保に失敗して粗い写真しか残らず。確保してれば県初記録だった。くっそー。その後何度か炎天下で狙ったがだめだった。他にツヤケシナガタマ自己初。
2021 8月28日。シナノサビ本気で狙う。富士五湖周辺、モミがキーワード。地図で見つけたモミ群落にまず直下の集落から登る。地理院地図では歩道があったが、行ったらなかった。斜面這って登る。夜回りがメインの予定だったが昼でも危ないので撤退。別のルートで攻める。重機なら通れそうな歩きやすい道(地図では車道)を夜に1kmあるくルートでいった。新鮮な倒木に来るらしいけど、都合よくあるとは思われないので、ヤニの成分である揮発成分と固形成分をアマゾンで買って現地で混ぜる作戦。過去の記録によるとヤニを舐めて集まっていたという。しかし新鮮な倒木があった。両方使って夜回りしたがヒゲナガモモブトが運動会、あと手持ちLEDにヒゲナガが飛んできたくらい。倒木新しすぎたか?3週間ぶりの遠征でボケており、LEDライトを忘れてきた。モバイルバッテリーの照明機能でしのいだ。

今年の自己初はヒコサンヒゲナガコバネ、ヒスイヒメハナ、ヤノヒメハナ(ブナ帯分布sp)、キイノミハナ、オダイ、サハリン、ヒメヨツ。東日本での未見種トライ状況は以下の通り。
ジュウモンジ:コロナで狙えず。ソーラーバブルおわってまう。シナノエゾラギ:遠出が億劫で。フトキクスイ:タイプ産地の京都で狙おうかと思ったけど行けず。高尾のは多分フトじゃないね。クロヒラタ:狙ったけどだめだった。2020はかつての多産地が復活の兆し?という感じだったが2021は取れた話を聞かなかった。オトメ南ア:北沢峠がー。タケウチホソハナ:富士山、七面山で狙ったけどだめだった。ギガン;パス。ヨツボシ:うーん。ムネアカメダカ:狙ったけど時期が中途半端で成虫にはちと早く枝は拾いつくされてた。トゲムネアラゲ:情報不足。カスガキモン:いいシデ倒木あったんだけどだめだった。
タケウチに関しては、北海道で本州より多いことからホストはトドマツかエゾマツ、トドマツならもっと多いはずだからエゾマツなんだと思う。本州でトドマツはオオシラビソ、エゾマツはトウヒとそれぞれ変種になっているのでトウヒなんだろう。奈良の大台ケ原がたしかタイプ産地だけど、あそこもかつてはトウヒ原生林だったようだし。
新顔として福島平野部でサビイロクワという移入種が街路樹に深刻な被害を及ぼしている。あとは日本海側ブナ帯の隠ぺい種とか。

去年の夏に大隅で切ってきたホソバタブの枝、春にヨコヤマヒメ4、ヨツスジトラ1。粗い木屑も出てたので何かと期待してたけど11月の今も出ている。ほぼホシベニ確定。ルフェとかノルティアを期待してたんだけど。

身延七面山

【背景】

身延七面山は日蓮宗の修行の山であり、多くの信徒が標高差1200mを登りお参りする。寺のさらに300mほど上の山頂(1982m)まで、ブナ林と針葉樹林を擁する。ニセハコネホソハナカミキリの記載にはこの山の個体も用いられた[文献1]が山梨県での記録はこの1件のみである。また訪れる虫屋がほぼいない

【目的】

ニセハコネの生息確認、また本種と同所、同時期に記録が多いキベリカタビロハナ、ヒメヨツスジハナ、さらに根拠はないがタケウチホソハナがいたらいいなー。南ア前衛山なのでタカネヒメハナ、シナノヒメハナも、ダケカンバのいい立ち枯れがあれば探す

【手法】

COVID感染防止のため、前日夜に自宅周辺で車を借りて3時間運転し登山口へ。車中泊ののち、お参りの人の邪魔にならないよう夜明けとともに登山開始。山頂まで行きノリウツギ・リョウブの開花状況を把握、なるべく高い標高で張り付く。リミットは下山、運転、車返却を考え14時。実は以前見当違いの目標を探しに上ったことがあったが、高尾山並みに整備されて歩きやすかったので今回は登山靴でなくメレルの靴で登った。全く問題ない。標高差1600mを登ったけど実質1000m程度かな。

【結果】

寺の少し下、ブナ帯上部の標高1550m付近で満開のノリウツギを発見。ここから頂上までは他に花がなかった。パキタにはもう少し高度が欲しい。まだ日が当たらない時にニセハコネを狙い掬うもハコネのみ。早い時間にブチヒゲ飛来。イガブチなし。フタコブ1発見、図鑑に出てる下部産の緑っぽい色。パキタこない
日陰の花でホソハナ系の飛び方をする虫を探すもおらず。コウヤもほとんどいない。ブナ帯の常連は一通り飛来(フタヨツマルヤツ、チビハナ、キヌツヤ、ツヤケシ、アカ、コヨツ、オオヨツ、ヒゲジロ、ホンドアオバ、ニンフ、タテジマ)。フタスジハナが小型のため小さめのヨツスジと紛らわしい。飛んでるのをみて、これもしかして?って掬うとほとんど小さいフタスジで、ひとつだけ当たりだった。ヒメヨツ自己初!これタダヨツだろなーと掬うとタダヨツだった。
他にヤニの出てるコメツガ、大きなカラマツなどもあったがゼブラ、ミドリヒメスギなどの探索には時間を割かず。

【考察】

今ある花までは登山口から標高差1000m程度であり歩きやすい登山道なためハードルは低いが、それに見合う成果があるかというと疑わしい。山頂は全く展望がなく面白くない。

【参考文献】

[1] 「日本および台湾産ミヤマホソハナカミキリ属について」大林・高橋 ENTOMOLOGICAL REVIEW OF JAPAN VOl.40(2) pp.85-93 (1985) (http://coleoptera.sakura.ne.jp/ERJ/ERJ40(2)1985.pdf) (2メス, Shichimenzan, Yamanashi Pref., July:11, 1977, K. Aoki leg)

富士山

ヒメヨツスジハナカミキリ★

ふ節がながく、スーパーモデルなみのプロポーション

カラフトホソコバネカミキリ★

植林の細いカラマツで、鹿害なのか、普通ならテンカラでしか起きないような樹皮剥がれが起きて、サハリンの好む状態になってるようです。午後2時くらい
周辺をしらべてみたけど、鹿対策してるエリアでは樹皮剥がれが見られない。食われまくってるエリアでもその部分が完全に枯れてヤニが出てない木はいる気配がない。条件がよくわからない。いる気配=鋭い穴と粉
あとは道路脇で排気ガスでそうなってるカラマツは見たことある。
南アとかで、テンカラで見つけるのが多分ロマンで王道だな。

カラフトホソコバネカミキリ★

ヒゲジロホソコバネカミキリ★

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高尾のキクスイモドキ

月刊むしで2015年に高尾山でのフトキクスイモドキカミキリ「と思われる」ものが報告されていますが、今年は遠出自粛ということで5月に3回ほど出かけて捜してみました。


左から月刊むしで報告された高尾フトキクスイらしきもの、次が同誌で紹介されている典型的フトキクスイ、右4つは5月高尾で得た4個体。数字は上翅基部太さと長さの比をピクセル数から測定したもの。
一番右はあきらかなキクスイモドキです。サンプル数が足りませんが、5月始めは足が黒いのが多い傾向があるのかな、という感じです。しかし多少なりとも「太い」のはいませんでした。でもむし誌で紹介された個体と同様に触覚が短いのはいました。
もともとフトキクスイはトゲムネホソヒゲとキクスイモドキの中間的な特徴をもつ隠ぺい種として新たに記載されたという経緯があります。記載に用いられた標本は京都各地、箕面鳥取大山の個体です。東北や九州でもその後みつかっています。四国と紀州はトゲムネホソヒゲのエリアで、フトキクスイはいないとされています。
キクスイモドキが地域変位や個体変異が大きいようで、もしかしたらさらなる隠ぺい種とかもいたりして?