この論文に刺激されて考えてみました。
http://d.hatena.ne.jp/okemos/20090108/1231379254
ある昔の映画の話ですが、悪の組織が核爆弾をアメリカで爆発させようとします。人的被害を狙ったものと主人公は考えますが、実はそうでなく、連邦準備銀行の保有する金塊の近くで爆発させて、中性子が地中を突き抜けて金庫に保管されている金塊を放射化させ使い物にならなくさせ、自分らが持っている金の価格を暴騰させるという計画でした。子供ながらに「へぇー」と感心しつつも「ずっと金庫に入れっぱなしなら別に関係なくね?」と思ったりもしたのでした。
それとは別の現実の話ですが、ウランが核分裂すると貴金属であるパラジウムがある割合で発生します。
http://en.wikipedia.org/wiki/Palladium-107
パラジウムの時価は今1グラム600円くらい。金の1/5程度でしょうか。
http://palladiumprice.org/
これをうまく取り出せればいいですが、放射化している同位体も含まれているので駄目です。半減期の20倍くらい経てば百万分の1に減るけど、半減期はなんと650万年。
でも650万年待てばとにかく貴金属が手に入るわけです。650万年後にこれを手に入れられる権利を商品にしたら売れるでしょうか?
まず売り手はとにかく650万年きちんとこれを保管しておくことが必要で、そうしないと誰も買ってくれないです。でもこれは安全のため政府がちゃんと予算で管理すべきものなんで、その管理コストは商品に含まれないとします。そうしないとめちゃくちゃな値段になっちゃう。つうことで初めの売り手は政府。で初めに半分くらい権利を売って、あとは一年に残りの1/650万だけ売るのを許可するとかすれば、毎年ちゃんと売れるようにするためにきちんと管理しようとします。政府が不安定になると650万年続くかどうか不安になって商品の値が下がるから650万年続くような政府を目指す。
これが仮に初めから全部売っちゃうと、入居時に永久会費払う老人ホームで入居の長い人が酷い扱いをうけるみたいな感じで、後の世代の政治家はちゃんと管理しても金にならないのでがんばらない。逆に後で全部売るようにしても自分の世代では関係ないので管理コストを削ったりする。ゲーム理論的にプレイヤーは自分の世代だけの利得を最大にすると仮定して、それでも650万年にわたる全体の利得が最大になるような仕組みを作っておく必要がある。これは今の環境問題全般とか年金問題にもあてはまるかも。
政府が売ったあとは民間の市場で権利が売買されることになる。もし恒星間旅行とか実現されてたらウラシマ効果で650万年とかわりとすぐ経っちゃうんで、出かける前に買って650万年後に同じ人が実際パラジウム買うこともありうる。
で実際いくらになるかと考えると、他の人がいくらで買ってくれるかによるからどうどうめぐり。担保がとれないから、うーんやっぱ相当安いかも。
あ、でも半減期長い=放射線弱い、てことだから元々放射線のある宇宙空間で触媒として使えばいいのかも。β線だから遮蔽も容易だし。でも打ち上げ失敗すると危ないから軌道エレベータできてからだな。