グレッグ・イーガン"Planck Dive"
読み終る。ちょっと不明な点もあるんでもういっかい読まねば。どうやら"Flesher" は過去のもので現在はいないらしい。あと「発進」みたいなのは、あくまで可能性の一つとして提示されてて、ブラックホールに入るまではどうなるか分からない。もしかしたら有限時間で特異点にいって終り、かもしれない。それでも挑戦するのが科学者魂、ってことですね。現在宇宙論で研究されてるヒモとかツイスターとかの理論は数学的には面白いけど、実験で検証できないというどうにもならないもどかしさがある。イーガンはツイスターの方面で論文を出してるけど、やっぱりこのもどかしさが Planck Dive の執筆動機にあると思う。ブラックホールに入れば実験できるだろうけど、出て来れないから結果を人に伝えられない。そもそも潮夕力で潰れて人間は生きてられない。イーガンはこのへんの問題を「塵理論」みたいなアッと驚く仕掛けでクリアし、アイデンティティの問題もからめて面白い話に仕上げてる。すごいなー。できれば "spin foam" 理論てのの概略を掴んでから再読したい。