はじめてのζ関数

チャイティン「メタマス」冒頭の説明がわかり難かったんで自分なりの説明。

メタマス!―オメガをめぐる数学の冒険

メタマス!―オメガをめぐる数学の冒険

各項目の選択肢を全部足したものをかけると、あらゆる組合せが出てくる。

(肉+魚)(杏仁豆腐+シャーベット+ケーキ)(コーヒー+紅茶)
    = 肉・杏仁豆腐・コーヒー
     +肉・杏仁豆腐・紅茶
     +肉・シャーベット・コーヒー
     +肉・シャーベット・紅茶
     +肉・ケーキ・コーヒー
     +肉・ケーキ・紅茶
     +魚・杏仁豆腐・コーヒー
     +魚・杏仁豆腐・紅茶
     +魚・シャーベット・コーヒー
     +魚・シャーベット・紅茶
     +魚・ケーキ・コーヒー
     +魚・ケーキ・紅茶

同様に、全ての自然数は、素数をそれぞれ何回かかけた形に表されるので、2をかける回数、3をかける回数、5をかける回数・・・という各項目について選択肢を全部たしたものをかけると
(1+2^1+2^2+2^3+\cdots)(1+3^1+3^2+3^3+\cdots)(1+5^1+5^2+5^3+\cdots)(1+7^1+7^2+7^3+\cdots)\cdots = \sum_{n=1}^\infty n
これは逆数でも同じ。
(1+1/2+1/2^2+1/2^3+\cdots)(1+1/3+1/3^2+1/3^3+\cdots)(1+1/5+1/5^2+1/5^3+\cdots)\cdots  = \sum_{n=1}^\infty 1/n
また何乗かしても同じ
(1+(2^s)+(2^s)^2+(2^s)^3+\cdots)(1+(3^s)+(3^s)^2+(3^s)^3+\cdots)(1+(5^s)+(5^s)^2+(5^s)^3+\cdots)\cdots  = \sum_{n=1}^\infty n^s
右辺がゼータ関数ζ(-s)の定義。ところで左辺は
\prod_{n \in P} (1+(n^s)^1 + (n^s)^2+\cdots)=\prod_{n \in P} \frac{1}{1-n^s}
と書ける。\prod_{n \in P}素数であるn全てに関しての積。というわけでゼータ関数素数は深い関係があるんだとさ。


あとわかりにくかったの、停止問題と完全性。

  • 整数の計算をするプログラミング言語がある
  • その言語のあらゆるコードについて、停止するか無限ループになるかどちらかを証明できる記号論理学の体系があったとする

そうすると矛盾。
なーんかこのへんの説明の文も、もっとこなれた文で書けないかなと思った。原文のせいなのか翻訳のせいなのか。
わりと雑談ぽい話と、核心の話とにわかれて緩急ついてる感じ。理系人間は核心だけ拾い読みすればいい。しかしその部分がこなれてない文なんだな。