φ4摂動

http://q.hatena.ne.jp/1213273271
に関して追加コメントではTeXが使えないのでこちらで。
なにかの場\phi(x)があって、その振舞を調べることを考えます。
場の全体のエネルギーは普通、E(\phi)=\int dx A(\nabla \phi)^2 + m \phi^2 +φの高次の項、と書けます。これがボルツマン分布に従い、φ(x)という配置は\exp(-E(\phi))の確率で出てくるとして、φで表されるいろいろな物理量f(φ)の平均を計算します。
高次の項がなければEはフーリエ変換してE = \int dk (A k^2+m)|\phi(k)|^2と書けるので、平均の計算は\int d\phi \exp(-a \phi^2) f(\phi)という、ガウス積分になり計算できます。
ここでEに高次の項の摂動としてたとえば\lambda \phi^4が加わったとします。λは小さいとして、平均値をλのベキで展開することを考えます。
計算としては\int d\phi \exp(-a \phi^2-\lambda \phi^4) f(\phi)という形になり、計算できません。ここで
 \exp(-a \phi^2-\lambda \phi^4) = \exp(-a \phi^2) \exp(-\lambda \phi^4) =  \exp(-a \phi^2) \sum_n \frac{\lambda^n \phi^{4n}}{n!}と展開すれば平均は
\sum_n \frac{\lambda^n}{n!} \int d\phi \exp(-a \phi^2) \phi^{4n}f(\phi)
と展開できます。各項はガウス積分なので計算可能です。
実際にはn次の項は波数kの積分が4n個ぐらい出てきて、それぞれの依存関係を表すのにファインマンダイアグラムを描いて場合の数を数えることが必要でこれが高次では大変になりますが、基本的にはガウス積分です。