ロジャー・ゼラズニイ『光の王』 ISBN:4150115125 本日発売

新表紙キター!仏様美形です。 2005年にもなってこの名作を読んでない奴はとっとと読め(またすぐ入手不能になるから)。Amazon は書映まだ。

光の王 (ハヤカワ文庫SF)

光の王 (ハヤカワ文庫SF)

あ、まだ内容の情報が登録されてないな。旧版のレビューや情報はこちらからドゾー ISBN:4150106258
もうひとつZネタ。チャールズ・ストロスの長編 "Family Trade" は『アンバーの九王子』っぽいんだそうです。米アマゾンのレビュー参照: http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/0765348217/
追記:これに関して作者の Blog でおもろい記事発見。一部を訳
http://www.antipope.org/charlie/blosxom.cgi/2005/02/21#writing-107

ファンタジーの分野そのものは悪くないのだが、そこに働く市場原理が私の嫌いなこの分野の側面を増長する、すなわち大量のトールキン(に及ばない)もどきの大行進である。加えて、ロバート・ジョーダンはまだ生きてて売れている。

ルール1:生きている作家からは盗むな。出版業界ジャングルの生態系における彼らの適所はすでに占められている。(あるいは:だれももう一人のロバート・ジョーダンなど必要としない)

もし自分がファンタジーをひねり出して作るとするなら、中つ国のどこかで貧しくも正直に育った若い主人公の視点で、彼が、えー、冥王となるべく生まれたという自らの運命を知り、既存の秩序を破壊し革命を起こすという話になるだろう。
私がエージェントにそう言ったら、彼女は溜息を (メールでだが)ついて、「それは止めて。読者はあなたを憎むでしょう。」と言った。作者を憎む読者は本を買わない。彼女の論点はもっともだと思える気がしたので、そのアイディアはボツにした。芸術に対して商業的圧力、一点追加。

アイディアその2:私はしばらく歴史改変物をSF の1分野だと思っていた。歴史改変物を書く方法はいくつかある。率直に書く (起こらなかった歴史を舞台にした歴史小説)という方法が一つ、あるいはルールを曲げまくってこの世界の人間が隣の宇宙への観光ビザを取得すれば、この世界の仕組みに関する我々の概念をつつきまわす道具として使える。唯一の欠点は歴史改変物がSFとして売り出されることが多いことだ。しかし私はファンタジーとして書かれた先例を思い出した。著明なSF/ファンタジー作家ロジャー・ゼラズニイの傑作、アンバー年代記は(全10巻すべて)超能力を持つ主人公の家族を扱っていて、主人公は世界から世界へ旅することが出来る。アンバーシリーズは売れまくっているが、ゼラズニイが1995に不幸にも亡くなった後は生態系のこの部分は空きができている。
--以下略--

あとで続きを訳すかも。

追記:"The Family Trade" 冒頭の文をアマゾンから引用: "The sky was the color of a dead laptop display, silver-gray and full of rain." 分かりやすいパロデイだなおい(笑 *1

ダン・シモンズの新作長編『イリウム』『オリンポス』もアンバーっぽいから、是非復刊してほしい所。かようにリスペクトされまくりな名作なので。