グレッグ・イーガン『万物理論』まつり

行ってきました。椅子は5x7並んでたかな。『万物理論』の謎を解く、ってことで「ここで説明によるビッグバンをおこしましょう」て感じで始まりました。大森さんがセカイ系とか色々キャッチーな説明を提案されて、山岸さんが「うーん、それはどうかなぁ」と客観的なデータをいろいろ出されて議論するという感じで、二人の基石のせめぎあい(w という感じでした。結末の世界に関して志村さんが加わられて他者の理解に関する議論がなされてました。自分はまだ最後のところ完全にすっきり分かってないんでそれに関してはパスです。
,,「意識とは何?」て考えると、自分が意識を持ってるのは明らかなんだけど他人のそれも明らかな世界、てのはどんなんだろう。あ、志村さんのおっしゃってた付帯条件の話もなるほどと思った。たしか宇宙論でも、勝手に決めなくちゃいけないパラメータの数が少ないほどエレガントな理論だという一派と、プレ宇宙からたまたまこのパラメータになってる我々の宇宙が出来た、ってことでいいじゃん、と主張する人がいたような。http://www.edge.org/3rd_culture/susskind03/susskind_index.html (人間原理関係は前半だけ。後半は「ひもみたいなのを使ってハドロンの理論を作ってます」と言ってゲル=マンに爆笑されたとか弦理論の論文をPRL に蹴られたとか怨み節が続く。) あーしかし短篇 Closer とかで完全に分かり合えたらそれは同一人物になってしまうわけだからやっぱ分からないか。あと新しく生まれて来る子供も基石になるというのはどうだろう。親子では説明の対称性は破れてるような。
その後は二次会で山岸さんといろいろお話ししまして、ある短編とある短編(両方未訳)が実はつながってるというビックリ事実を教えてもらったり、イーガンが若いころ書いたという青春小説 "An unusual angle" ISBN:0909106126 の実物を見せていただいたり(米アマゾンの読者レビューでは好意的に書いてるSFファンのレビュー読んだんで面白そうと思ってたけど、「いやーちょっと」ということでした^^;) なんでもアンドルーと同じカメラ侍(w の高校生が主人公なんだそうで。
次の次の長編テラネシアに超ニアミスしてるという日本の短編をこっそり教えていただき、今日読んでみましたが確かに。
アキリの口調が日本語にすると語尾とかでどうしても性別が出て大変ですねと話したんですがそこは非常に苦労されたんだそうで。今更遅いですが素晴らしい解決策を思いつきました。Ve/Vis/Vim のように新しい語尾を作ればいいのです。「私はクエールびょ。あなたはアンドルー・ワースびょ?」おお!素晴らしい。男か女か分からない。ついでに言うと人間かどうかも分からない。主人公の周りを飛び回ってる変な動物みたいだ。

卓には自分の隣はWEBでお名前はよく知っていたけど初対面のさいのさん(id:STR)、山形さん、倉田さんがいらして、翻訳談義とか。特に倉田さんは黒丸尚訳作品をほとんど全て読んでらっしゃるようで特に一部黒丸訳のあるウォマックにいついて熱く語っておられました。あとは板倉がドット絵目当てにDQの攻略本を買うヲタであることをタカアキラさんに暴露されたり^^; ええ、買いましたとも、上下二巻。

あ、そういえば大森さんにはHPからリンクしていただいてるのにご挨拶しなくてしまったと思ったり。これからスタージョンの短編とかまた出るようなので原書と読み比べて感想書かせていただきます。mOm
そういえば大森さんのHPはハッカーに乗っ取られたような表示があったんですが大丈夫でしょうか。