グレッグ・イーガン『Diaspora』 ISBN:0061057983 【アマゾン】

作者による解説
PART 2 部分を読み終る。ブルース・スターリング『スキズマトリクス』を連想させる設定が面白い。時は A.D.2997、人類は肉体をもつ flesher と機械の体の gleisner、さらに肉体を持たない意識プログラムの polis citizen に分かれ、戦争とまではいかないが微妙な緊張関係にある。そんな中である中性子星の連星で異変がおこり、いきなり「地球滅亡まであとン日」という事態になる。緊迫した話で面白かった。ここまでで、まだ150ページ。
"memetic replicator" なるものが flesher の間で流行したとあった。meme ってなんだっけ、と思い調べる。ああ、ぶっちゃけ「貞子のビデオ」みたいなもんな訳ね。概念や信条が人の間を伝染していくと。この提唱者のドーキンス利己的な遺伝子とかも提唱してるけど、「ふーん、そういう見方も出来るか」とは思うけどそれ以上ではないな。ことさらマスコミ受けのよいキャッチーな用語(というかミーム)を宣伝するのは、「ゲーム脳」とかに感じる反感と同種のものを抱いてしまう。まあ自分の理論を実践してる、てことなんでしょうね。それはそれですごいわ。
最近だと美しい水の結晶とかのミームが癌のように広がってるけど、こういうのに対抗するには同じくらいキャッチーな文句で批判や揶揄しないといけないな。