ハーラン・エリスン "Midnight in the Sunken Cathedral", Audio CD ISBN:1574534157
"Jeffty is Five"を本人の朗読で聞く。タイトルからすぐ連想するのは、スタージョン『人間以上』の元になった中篇 "Baby is Three"。テーマ的にも通じるものがあるかも。ただタイトル自体はエリスンがあるパーティーで"Jeffty is fine. Always fine." という会話を聞き間違えて思い付いた、と短篇集 "Slippage" に書いてあった。
作品を文字で読んだことがないから聞き取れるか不安だったけど、なんとか大丈夫だった。昔のラジオのシーンとかエリスンが情感を込めまくって演じてるので最高。1940, 1950 年代の固有名詞は良く聞き取れないけど、どうせ文で読んでも分からん。
大学一年の時、何度か渋谷のカレー屋「ムルギー」に行った。ゆーーっくり歩いて来て「卵入りでいいですか」と聞くご主人がまだ御存命の頃だった。食べ終ってレジで勘定すると、ご主人は白黒テレビをよく見てらしたけど、何故かいつもすごく昔の時代劇だった気がする。「古いテレビだから古い番組やってるんかな」と、ありえないことを一瞬考えたのを思い出した。



"S.R.O."も聞く。未読だと思って身構えてたら、邦題『満員御礼』で既読だった。邦訳を読んだときはどってことない印象だったけど、本人が朗読すると最高に面白い。

"Screenwriting Expo" でのエリスンの講演レポート。最前列にいた聴衆の何人かは(エリスンの迫力にビビって)身をすくめるのが見えた、とか笑える。

グレッグ・イーガン『Schild's Ladder』 ISBN:0575073918
(作者のサイト)作品中に出て来る "Qusp" という量子プロセッサについて詳しく書いた短篇、"Singleton" を作者のサイト上で読んでるところ。多世界解釈+人生のIF、て感じの作品ぽい。主人公は初めマクスウェル方程式が図案のTシャツを着ている大学一年生。複素解析の復習を喫茶店で女の子としてる時デートに誘うんだけど、「複素解析以外にいつも何を楽しんでる?」とその娘に聞いた返事が "I write a lot of Perl scripts" てのに吹いてしまった。
"Quantum Eraser" という語が出て来たので調べてみた。解説記事。二重スリットの実験で電子がどっちを通ったか調べると干渉縞は消えるけど、どっちを通ったかの手がかりがまだ量子的コヒレンスを保っているうちに量子的操作をして手がかりの情報を消して「見なかったことにする」と干渉縞が出来る、という実験らしい。理論的には当然な話。