べき乗の「法則」?

20041015で書いたネタ続き。Power Law を「べき乗の法則」と訳して使っている人達がいるようだ。http://www.can.or.jp/archives/articles/20030315-01/ とか。元々物理業界での使われ方は単なる形容詞だけど、これを「スタージョンの法則」みたいに世の中こうなってる、というような使いかたをしているかんじ。こういう理系の世界の概念を他の分野で誤用というかメタファーというか、そういう感じで使うことの是非は、いわゆる「ソーカル事件」で騒がれた。『知の欺瞞』ISBN:4000056786 がその火付け役 (あれ?訳者の方に見覚えが^^;)。特にブログ業界で誤用されやすいのは量子力学観測問題とかゲーデル不完全性定理とかかな。
しかし逆に物理屋がコテンパにされた「キリンの斑論争」なんてのを読むと、頭ごなしに専門外の人を discourage するのもよくないか、とも思う。経済でべき分布が見られると言うこと自体は興味深い現象だし大御所の物理屋もけっこうそっちに流れてるし。