●ヴォークト『非Aの世界』 ISBN:448860904X 【アマゾン】, 創元文庫SF |
ビッグブラザーの民主主義版って感じの<機械>が、 "非アリストテレス(非A)的"な思考が可能な優れた人材を選別して要職に就かせている世界の話。2600年代の話だけど、思考機械には真空管が使われてるらしい(笑)。書かれたのは ENIAC が出来る前年だから。でも真空管の方が描写に味があるな。
冒頭いきなり主人公の記憶が偽物であることが判明する。映画トータルリコールとかブレードランナーみたいな (すんませんPKD はあまり読んでません)。
作中に出てくる「一般意味論」てのは実在の有名な本らしい。言語はそれが表す対象と同じではない、という考え方らしい。なんか感想を書きあぐねていたところに 前野さんの日記が。なるほど!量子力学ってのは典型的な"非A" の考え方だったのか。