●バリトン・J・ベイリー『永劫回帰』坂井星之訳 , 創元文庫SF |
ISBN:448869702X 【アマゾン】
この人はなんか宇宙に関して独自の哲学を持ってて面白いです。本書では ジョジョ第六部 のラストみたいな感じのネタが展開されてます。そうはいっても、その宇宙哲学が主人公の妄想なのか、現実のものなのかは曖昧ですが。よくわからないけど、ものすごく痛い思いをすると時間を超越した神になれるらしいです。
ちょっと関係ありそうなネタをひとつ。コンピュータで使う乱数は漸化式を使ってますけど、前と同じ値がでたら後は繰り返しになってしまいます。 32ビットの整数だと、2の32乗個以上の乱数を使うと必ずループしてしまいます。速いマシンならあっというまに使い気ってしまう量です。もっといい乱数だと指数的に周期を伸ばすことができます。以前書いた論文で(Phys.Rev.B 60, 6558)、計算に使った乱数は十分周期が長いので宇宙の寿命のうちでは繰り返すことはない、と書いたことがあります。宇宙に寿命があるか、あるとしたらどのくらいか、というのは議論の余地があるけど、とりあえずレフェリーは突っ込まないでくれました。