バリントン・J・ベイリー『カエアンの聖衣』冬川亘訳 , 早川文庫SF

ISBN:415010512X 【アマゾン】

フラショナールのスーツは全てを統べ、くらやみの中につなぎとめる。影横たわるカエアンの地に。
という感じ。服=人格という特異な文明、カエアン。そこで作られた宇宙に数着しかない究極のスーツをたまたま手に入れた主人公は圧倒的カリスマを得て周囲を支配していく。しかし逆に彼はスーツに支配されていき、カエアンの地に誘われていく。その他には宇宙に進出した日本人が、非合法組織の長であり宗教的指導者でもある「ヤクーサ・ボンズ」に率いられてロシア人と戦っている、という超絶設定が笑える。全くこの人は禅銃といいこれといい、、、
そういえば訳者の冬川さんもキャッチワールド、スターシップと俳句、禅銃、などこの手の作品の訳が多いなぁ。