古き者の城

昨日の記事を日本語化。

ラヴクラフトの「狂気の山脈にて」で、五回対称は重要な役割を演じる。自然界において3、4、6回対称に比べて五回対称は少ないので、冒涜的で不自然なイメージを喚起する。結晶学のどんな教科書にも、五回対称な結晶は存在しないことが書いてある。
しかし、80年代始めにある種のアモルファス合金が五回対称な回折パターンを示すことが発見され、「準結晶」という全く新しい概念が認知されるきっかけとなった。一番有名なのは「ペンローズタイリング」と呼ばれるもので、以下のURL を参照: http://www.lbl.gov/wonder/rotenberg-2.html

古き者の都市は、このペンローズタイリングに基づいて作られたものだと思う。HPL は作中で、星型の建物があちこちに見られたと書いているが、これはペンローズタイリングの構造と合致する。非周期的なタイリング問題は NP完全である、すなわち大きなタイリングを行うには指数的に増大する計算量が必要になることを考えると、巨大な都市は古き者のテクノロジーが高度に発達していたことを示すものである。

ところで、日本には「五稜郭」という星型の城がある。19世紀の終りに明治政府に反抗した反乱軍により建造されたものである。 http://www.goryokaku-tower.co.jp/rekisi/kouzou.html

噂によれば、反乱軍は古き者の信奉者であり、ネクロノミコンの秘密の知識を用いて城を設計したと言われている。好運なことに、彼等は城が完成するまえに制圧された。もし城が完成していたら、人智を越えた堅牢な要塞になっていただろう。