ゼラズニイのディルヴィシュやアンバー後半シリーズでは魔法を準備するシーンがある。魔法はちょっとした言葉と動作ですぐに発動するけど、その準備には長い時間がかかる。たとえばアンバーのマーリンが殺人事件の現場に侵入するのに使う、透明になる魔法は20分程度車の中で集中することが必要だった。ディルビシュに愛馬ブラックが掛ける敵を退ける呪文は一時間、ディルビシュ自身が使う破壊的な呪文は地獄で200年の時を過ごすことが必要だった。だからどういう呪文が戦いで必要になるかをあらかじめ予測して準備しておかないといけない。
PLANESCAPE:Torment 、つまりAD&Dの魔法のシステムはこれに近い。簡単に言うと WIZARDRY みたいに各呪文レベルごとに使用可能回数が決まっているが、さらにどの呪文を何回使うかも決めなくてはいけない。レベル1が5回だとすると、鑑定2回、マジックミサイル2回、アーマー一回などと決めて、宿屋などで呪文書を読みながらそれを準備する。おきらくなMPのシステムもいいけど、こういう硬派なのもやりがいがあるっす。
他の小説では、エルリックなんかは精霊やカオスの神々と契約を交わすことでその力を借りている。「アリオッチ、アリオッチよ、我に力を貸し給え!」「今いそがしいんじゃボケ!」とか言われたりすると困ってしまう;)
指輪物語では、中つ国で魔法を使ったのはガンダルフサウロン、メリアンといったマイアたちに限られる。どうやって使っているかなど人間ごときの理解を遥かに越えているので分からない。