Singularity Sky 読書メモ

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本:チャールズ・ストロス特異点の空』 "Singularity Sky" ISBN:0441011799

acausal = 非因果的な
entangled qubit: EPR 実験では、量子相関を持った二つの粒子を使って見掛け上瞬時に遠隔地に影響を与えることができるように見える。一組のEPRペアで 1bit の情報を送れる。

beanstalk= 軌道エレベータジャックと豆の木からの連想っぽい。

戦闘関係

  • IFF: 敵味方識別信号
  • lidar: レーザーによるレーダー。辞書にのってる。
  • delta vee: ΔV 速度の増加分
  • gee: g のこと。加速度。
  • kps: Km/s
  • klicks: キロメートルのこと

P.T.Barnum って誰?いちおう文字を反転
P.T.Barnum "There's a Sucker Born Every Minute"
興行主で、インチキな見世物を手を変え品を変え行っても客が沢山きたことを評して述べた言葉。「馬鹿はどんどん産まれて来る。」

spork= spoon+fork の、いわゆる先割れスプーンか。

Spacelike Horizon

「オメガ事態」
母星は Festival が来た星の光円錐の外。ここでA から艦隊をワープさせてA' に行き攻撃し、光円錐の外のB に戻れば causality violation は起きないという理屈らしい。


光円錐
/ B
/ A
/ |
/ |
*-/--FTL 通信 --->皇帝
\ / |
* Festival 来襲
|
A'
追記:ちょっと違った。光円錐の中にとびこんで、過去にもどるらしい。

"pop the prime"= 主星を爆破

Admiral's staff

twist the clocks: 重力は時空の歪みから生じる。それとダリ時計をかけてるっぽい。

物理法則が目茶苦茶になる「特異点」は通常「事象の地平」にかこまれてて、この地平の内側のものは外に出てこれないんで、中で物理が目茶苦茶になってても我々の世界には関係ない。しかし事象の地平の外に特異点がある場合は「裸の特異点」と呼ばれ、変なことが起こる可能性が有る。

タイトルの「特異点」は別の意味で、文明の発達がこの臨界点に達すると一気に全知全能まで発達してしまう、という点。しかし両方掛けてるかもしれない。

pp.117 CP-violaton: 自然界では "CPT対称性" が成り立っていると思われている。すなわち電荷(Charge)を逆にし、パリティを反転(鏡像)にし、時間を反転すると物理法則が元に戻る。しかし"CP" だけ反転した場合物理法則が元にもどらないことが最近分かった。したがって実験はできないが時間だけ反転しても物理法則が違うことになる。詳しくは『自然界における右と左』 ISBN:4314005769 を参照

GNU free hardware: 現在の GNU free software foundation の発展らしい(笑)

Tipler Boyce なんちゃら:ティプラーはω点理論の提唱者。ボイスは『キャッチワールド』のクリス・ボイス。以下のURL を参照。宇宙中で計算機を自己増殖させといて、ビッグクランチの時に無限の計算能力を確保するとかいう話だと思う。
http://www.daviddarling.info/encyclopedia/V/vonNeumannprobe.html

Mime: ドーキンスの「ミーム」の概念と、サーカスに付いて回るパントマイムの芸人をかけている。言語中枢をやられて喋れない、ってのがマイム。自分を増やそうとするのがミーム

pp.181 グライダーガン:『ライフゲイムの宇宙』 ISBN:4535783837 に出てくるのとはちょっと違う。最初に見つかったのはグライダーと呼ばれる単純なパターンを次々と発射しながら進んで行くパターンで自己増殖はしない。

ルイセンコ、ラマルク:共に獲得形質が遺伝するという説を唱えた人。

Internet Engineering Task Force が国連業務を引き継ぐ:現在、逆の動きがあってスラド者の間では騒ぎらしい。

pp.315 "My Emperor! I can walk!" 映画「博士の奇妙な愛情」を見てると笑える。