大分遠征その1

使用機材:https://ita.hatenadiary.jp/entry/20180816/p2
クリックで拡大。★は初見。
九州特産ピドニアやサペル狙いで何度か訪れている大分某所、今年はサペル狙いで訪れました。狙いはジュウモンジ。
GWに岡山の伐採地のひこばえでモンクロベニと同時に狙えるのですが、今年は古すぎるor新しすぎる伐採地しか見つからず。大分で再チャレンジです。伐採地ほど簡単ではないですが、本州ではポケモンの色違いレベルでレアな、前胸に真正十文字の斑紋がある個体が高確率で得られるというボーナスがあります。
空港から現地に向う途中、ちょうどノイバラがあちこちで咲いていたのでルイスヒラタチビタマを狙って何箇所かで叩いてみるもヌル。そして現地の少し手前でノイバラを眺めている虫屋さんを発見。でも眺めてるから蝶狙いかなー、と素通りしました。実はルイス狙いの甲虫屋さんで以前から存じ上げてた方だと夕方にお会いして分かったのですが。
そして現地着。まずは道沿のタニウツギを掬ってピドニア。この辺りで採れる九州特産はだいたい撮影済みで、残すはキュウシュウとキュウシュウイヨ、アマノイシヅチのみですが、前2種は時期的に早い、イシヅチは標高が足りない、ということで撮影済みの種のみでした。また林内のカマツカは時期的に丁度いいはずだけど、かなり環境が変わっていて枯れてしまった木が多く、ピドはこれだけ。

ヤマトヒメハナカミキリ

ヒミコヒメハナカミキリ

カグヤヒメハナカミキリ

一見ダメそうに見える環境だけど、少数のハルニレは元気なので逆にチャンスなのではないかと思いました。
さっそく目視とスイープでお馴染みさん達を見つけていきます。

キバネニセリンゴカミキリ

セミスジニセリンゴカミキリ


ハンノオオルリカミキリ

セミスジは結構多い。ジュウモンジと同じくコナラ、クヌギをホストとしているので、これが多く来るということはジュウモンジも期待できる。しばらく巡回していると細いサペルの影を発見。掬ってみると・・・

ジュウモンジニセリンゴカミキリ★

キター!のか?前胸がスレてて、コジマベニスジかジュウモンジかわかりません。まあどっちも自己初なんでいいのですが。メールで知人に聞いたり、体型から判断して、夜にはジュウモンジと確定しました。
しかし!肝心の十文字がスレで縦線しかなく、縦線が途切れ、横線は痕跡程度。これじゃ大分まで来た意味がないじゃーん。よく見ると縦線、横線ともに尾根状に隆起した部分にあり、スレやすいようです。うーーむ。
是が非でも追加を得て完全十文字を制覇したい。戦闘続行。


クロキモンカミキリ★

キバネニセ、セミスジ、ハンノオオルリはよく飛来しますが、そのうち毛色の違うのが。
キター!西日本特産、クロキモンです。近くのツル植物にはタダキモンが多くついてましたが、ハルニレにはおらず、明らかに生態が違います。大きさもタダキモンよりかなり大きい。ミズキを掬うといいらしいけど、近くには見あたらず。


クヌギ

今年はタマムシも重点で狙います。いろいろなナガタマのホストを覚えて、見つけたら掬います。クヌギの枝の中程から生えている葉をすくうと、大量のホソアシに混じってサトウが!実は去年東京で見つけていたのですが、その時はシラホシと勘違い。シラホシじゃないと気付いたあともトガリカラカネと間違えてたので自己初と思っていました。


ホソアシナガタマムシ


サトウナガタマムシ

キュウシュウキンヘリタマムシ

ハルニレをすくっていて発見!色が本州のより綺麗?と思ったけど、九州・大陸亜種は腹の形が微妙に違うだけのようです。ただし九州じゃハルニレが少ないので、★が一つ多い★★★★という評価になってます。


そして、今回最大の発見。ハルニレの近くに生えていた植物(画面左)。葉がレロレロで藤っぽい形。こういう葉のフジキという植物にレアなナガタマがつく、ということを図鑑で読んでましたが、そんな植物みたことねぇなあー、と思ってました。で、これはそれだったりして、と掬って見ると緑っぽいのと茶色っぽいナガタマが3匹ほど入りました。図鑑ではフジキにつくホソクロナガタマは★★★★★という最高レア度だったので、こりゃ違うな、と思いました。思い込みとは怖いもので、葉っぱの感じからこれはハゼで、キンモンナガタマなんだろう、と勝手に思っていました。でも自己初には変わりないので、生態写真をがんばって狙いました。幸い目の高さに多くの葉があり、個体数も多い。存分に生態写真を撮影しました。

ハルニレ

ホソクロナガタマムシ

で、キンモンたくさんいたよー、と粗い写真をtwitterにアップしたところ、歴戦のタマムシ屋さんたちが「これは!」という反応をされて、ようやく事の重大さに気がつきました。虫とフジキの写真をチェックし、ホソクロであると気がつきました。いやー、ラッキーでした。たまーに一匹とれるとかいうレベルらしいので、生態写真なんて史上初じゃないでしょうか。


ミヤマケシカミキリ

車中泊の後、二日目もハルニレでがんばりましたが、目的の完全十文字は現れず。まあ色々と面白い虫が撮れたので満足して帰途につきました。もともと十文字が採れるまで連続チャレンジする予定だったのと、成果を聞いた知人のEさんの目の色が変り、次の週も来ることになりました。続く。