ヤツボシシロカミキリ

使用機材:https://ita.hatenadiary.jp/entry/20180816/p2
クリックで拡大。★は初見。
異彩を放つ国産シロカミキリたちの中で、他がどちらかというと大味なイメージなのに対し可憐な感じの本種。
中国大陸、長野以西の日本海側に分布し太平洋側と南方のタカサゴシロと分布を接しているという感じですが近年北海道でも見つかっているようです。一度長野の産地を車で流したもののホストのズミをうまく見分けられず敗退。
今年はズミの花が咲く5月中旬あたりに流して場所を把握しようと思っていましたが、あいにくのコロナで出かけられず。
そんな中、知人が遠征先で出会った方に場所を教えていただいたとのことで、まずは勉強で6月に一人で行ってみました。
なるほどこれがズミかー、と分かるようになったのが大きかったです。葉が3つに裂け、茶色い虫食い部分が目立ち、この時期緑色の小さい実がついてて、細短い枝がたくさん出てて、全体的にごちゃごちゃ、汚い感じで判別できます。
他の場所も色々まわってみて少し生えてる場所を発見。ちょうど枝が伐採されて落ちてたので樹皮を剥くと粗い木屑と材部への侵入孔を発見。これは当たりだと思って探索を切り上げ持ち帰りました。しかし数日後に2cmくらいの幼虫がまろび出ていて外れと判明。この時期材内で成虫か蛹のはずで大きさも違う。それ以外にもシナノキやハルニレでジュウモンジを探したりラギウム材を探したりするも発見できず。

二回目の遠征は4人で出かけました。詳しくは640さんのエントリーにて。ニセハム・フィーバーでした:
https://ameblo.jp/okirakuna-outdoor/entry-12608664905.html

元々の情報で、5人で一時間くらい掬って1頭くらい、ということだったんですが、まさにその通りでヤツボシシロに関しては640さんの一人勝ちでした。

さらにその数日後。梅雨の合間の貴重な晴れ予報。即リベンジをもくろみ再出撃しました。

夜に出発し、途中でヨツボシカミキリが来ることで知られた元コンビニへ。今はコインランドリーです。
たまたまいらした管理人の方にいろいろ伺いました。店内照明は蛍光灯に見えますが実は全部LEDだそうで。窓の外に念入りにシュー、そして落ち葉吹き飛ばし機で虫を飛ばされてました。そんな中でもチャボヒゲナガが1だけいました。
持参した紫外線LEDを使ってみたものの、カメムシ1コガネ1だけでした。
そこからズミ方面へ向かうも途中で運悪く通行止め。この夜だけ工事で通れなかったようです。40kmばかり戻って迂回しズミの場所へ0:00ごろ到着。枯れ枝をライトで照らしたりして探すも見つからず。1:00ごろ車内で就寝。
翌朝5:00からロケハン開始。個体群を維持するにはもう少しズミがたくさんあるはずという漠然とした勘のようなものに基づいて車で流します。幸いズミを車内からでも見分けられるようになったので効率がいい。そして結構たくさん生えている場所を発見しました。

ズミの木


待ち

ただし、たまに霧雨が降ったりして気温が低い。こういう時に集中力を無駄に消耗してもいけないと思い、持参したスイッチで動物の森を遊んだり、うたた寝したり。たまに日差しが差しますがすぐに曇ったりして体感気温が乱高下します。そのうち、わりと長時間日差しがあり、「みょーきん」が鳴き始めました。
以前北海道で巨大な土場を見つけた時のこと。気温が低く、トドマツカミキリ1くらいしかいませんでしたが、日が差してミョーキンが鳴き始めるとラギウムが走り始めたり周辺の草にどこからかケマダラが現れたり、という経験をしました。これは大チャンスの合図です。
ズミの日当たりのいい葉を掬いまくります。その中でも一番大きい木の高いところを掬ったら、

ヤツボシシロカミキリ★

やったーーーー。いました。場所を見つけ、時間と天候を合わせ、ご対面です。なかなか止まってくれないので、動いてるところをAFでばしばし撮りまくりましたが、華奢な体と脚の配置がなかなかよくて可愛い写真が撮れたと思います。


転戦

このエリアで目標としてるのはヤツボシシロ、エゾラギ、ジュウモンジで、ジュウモンジは既に終わってるためラギウムを狙いに登山道へ移動。これまで行ったことのない場所ですが植生地図ではコメツガ優占。トウヒもそれなりにあるでしょう。
移動中はピーカンで暑かったですが、登っていくうちにガスで寒くなるという、O嶽あるあるな状況に。登山道ではガスは引いてたものの立ち枯れも倒木もびしょぬれでラギウムどころじゃない。わりと新しめのツガらしき倒木あったんだけどなぁ。せめて雨であれば立ち枯れは風下側が濡れてないけど、ガスだと万物隔たりなく濡れるのでどうしょうもない。
あと理想的にはトウヒの倒木があるといいんだけど、なかなかトウヒ自体が多くない。あまり見分けるのに自信はないけど、コメツガが鹿の糞みたいなマツボックリなのに対しトウヒは親指くらいの長いマツボックリなんで下を見て歩いてると分かる。でも濡れた樹皮はちょっと判別できなかった。

ここで切り上げ早めに車返して終了。